学科一般~過去問私的解説&ヒント~第53回気象予報士試験

気象予報士試験過去問解説

問7:大気の運動〜地衡風についての知識を問う!

問題文

北半球の地衡風について述べた次の文章の下線部(a)~(c)の正誤の組み合わせとして 正しいものを,下記の1~5の中から 1 つ選べ。

ある地点で西から東に向かって地衡風が吹いているとき,その地点で,等圧線の走向は (a)東西方向であり,コリオリ力は(b)南から北に向かって働く。
また,水平気圧傾度と 空気の密度がそれぞれ北緯 30°と北緯 45°の地点で等しいとき,地衡風の風速は, 北緯 30°の地点の方が北緯 45°の地点よりも(c)小さい。

③ (a)正,(b)誤,(c)誤

はれの
はれの

地衡風に対する基礎的な問題です。

(a)地衡風は等圧線に平衡に吹くよね!

気圧傾度で起こる風を、北半球ではコリオリの力が右向きに方向を変えちゃうんですよね。

だから風が西から東に吹く場合、等圧線は東西方向になってます!

(b)コリオリ力は北半球では右向きに働くよね!

地衡風が西から東に吹いてるんだから、コリオリの力は北→南方向です♪

(c)気圧傾度力と地衡風の式で解けるよ!

  • 北緯45度
  • 北緯30度

の地点で

  • 横方向の気圧傾度(水平気圧傾度)が同じ。
  • 空気の密度が同じ。

という条件で、地衡風の風速どっちが小さいかって問題です。

気圧傾度力と、空気の密度が同じってことは、北緯45度と北緯30度でのΔP/Δnが同じってことです。

補足
  • Pn:気圧傾度力
  • ρ:空気の密度
  • ΔP:気圧差
  • Δn:距離

これを地衡風の式に当てはめて考えると

となるから、比較するところは「1/sin30°」と「1/sin40°」の部分です。

だから北緯30°と北緯40°の地衡風を比較すると

上の式から

北緯30°の地衡風:北緯45°の地衡風=2:√2

だから、北緯30°の地衡風は北緯45°の地衡風より大きい。

はれの
はれの

でも試験本番に、ここまで計算する時間はもったいない!

できれば3平方の定理と地衡風の式から、「地衡風って同じ条件だと低緯度の方が大きいんだよ!」ってわかるように理解を深めて下さいね。

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