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目次 非表示
- 問1:大気の構造についての問題
- 問2:大気の熱力学(温位と相当温位は知ってるよね?問題)
- 問3:中層大気の東西風〜夏半球&冬半球の違いを問う!
- 問4:大気における放射〜レイリー&ミー散乱を問う!
- 問5:大気の熱力学(式も計算も不要〜♪)
- 問6:降水過程〜エーロゾルについての知識が試される問題
- 問7:大気の運動〜地衡風についての知識を問う!
- 問8:メソスケールの運動~大雨予報に欠かせないマルチセル型の知識を問う!
- 問9:等温線の意味を知っていて算数ができれば解ける問題
- 問10:地球温暖化の海関係の知識を問う!
- 問11:大規模な大気の運動・子午面循環について難易度高めな問題!
- 問12:気象業務法(予報業務の許可)の問題
- 問13:気象業務法(気象予報士の資格とできること)
- 問14:気象業務法(予報と警報について)
- 問15:気象業務法(災害対策基本法について)
- 最後に
問6:降水過程〜エーロゾルについての知識が試される問題
大気中の降水の形成におけるエーロゾルの働きについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の 組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から 1 つ選べ。
(a) 水溶性のエーロゾルを核として水蒸気が凝結して形成された微小水滴に対する飽和 水蒸気圧は,同じ大きさの純粋な水のみの水滴に対する飽和水蒸気圧よりも高い。
(b) 周囲の大気の相対湿度が高くなると,最初に純粋な水からできた雲粒が形成され, これに水溶性のエーロゾルが取り込まれる。
(c) 過飽和の雲の中では,エーロゾルを核とする凝結過程のみによって1時間程度で 降水をもたらす雨粒にまで急速に成長する。
⑤ (a)誤,(b)誤,(c)誤
次のことを知ってれば解けるよ!
- 水溶性のエーロゾルを核とした水滴
- 核のない水だけの水滴
この2種類の水滴に対する飽和水蒸気圧の比較問題です。
普通水溶性エーロゾルがある方が水滴ができやすいです。
水滴が出来やすいってことは、少しの水蒸気圧で水滴ができるということ。
少しの水蒸気圧で水滴ができるということは、「飽和水蒸気圧が低い」ということです。
水滴ができる順番は「水滴にエーロゾルが取り込まれる」んじゃなくて、エーロゾルに水蒸気がついて水滴になる!
雲粒ができて、凝結過程だけで雨粒になるには、2日くらいかかっちゃうんです。
雨粒は、「凝結過程→併合過程」という違う成長過程を経て、地上まで落ちてくるんです。
問7:大気の運動〜地衡風についての知識を問う!
北半球の地衡風について述べた次の文章の下線部(a)~(c)の正誤の組み合わせとして 正しいものを,下記の1~5の中から 1 つ選べ。
ある地点で西から東に向かって地衡風が吹いているとき,その地点で,等圧線の走向は (a)東西方向であり,コリオリ力は(b)南から北に向かって働く。
また,水平気圧傾度と 空気の密度がそれぞれ北緯 30°と北緯 45°の地点で等しいとき,地衡風の風速は, 北緯 30°の地点の方が北緯 45°の地点よりも(c)小さい。
③ (a)正,(b)誤,(c)誤
地衡風に対する基礎的な問題です。
気圧傾度で起こる風を、北半球ではコリオリの力が右向きに方向を変えちゃうんですよね。
だから風が西から東に吹く場合、等圧線は東西方向になってます!
地衡風が西から東に吹いてるんだから、コリオリの力は北→南方向です♪
- 北緯45度
- 北緯30度
の地点で
- 横方向の気圧傾度(水平気圧傾度)が同じ。
- 空気の密度が同じ。
という条件で、地衡風の風速どっちが小さいかって問題です。
気圧傾度力と、空気の密度が同じってことは、北緯45度と北緯30度でのΔP/Δnが同じってことです。
- Pn:気圧傾度力
- ρ:空気の密度
- ΔP:気圧差
- Δn:距離
これを地衡風の式に当てはめて考えると
となるから、比較するところは「1/sin30°」と「1/sin40°」の部分です。
だから北緯30°と北緯40°の地衡風を比較すると
上の式から
北緯30°の地衡風:北緯45°の地衡風=2:√2
だから、北緯30°の地衡風は北緯45°の地衡風より大きい。
でも試験本番に、ここまで計算する時間はもったいない!
できれば3平方の定理と地衡風の式から、「地衡風って同じ条件だと低緯度の方が大きいんだよ!」ってわかるように理解を深めて下さいね。
問8:メソスケールの運動~大雨予報に欠かせないマルチセル型の知識を問う!
図は,複数の降水セルから構成されるメソ対流系の移動を模式的に説明したもので ある。この図に関する次の文章の空欄(a)~(e)に入る適切な語句の組み合わせを,下記の 1~5の中から 1 つ選べ。
図の太実線の楕円はある時間間隔で描いた (a) のメソ対流系を表し,細実線の楕円は 個々の降水セルを示している。図の左上の矢印の VP は対流圏 (b) の風を,VS は対流圏 (c) の風を表している。個々の降水セルは対流圏(b)の風の方向に移動し,一方, (d) で 降水セルが消滅し, (e) で新しい降水セルが発生するため,このメソ対流系全体は 白い矢印の方向に移動する。
解答は・・・
① (a)マルチセル型 ,(b)中層,(c)下層,(d)北端,(e)南端
この問題のイラスト見たら、秒で「マルチセルの積乱雲だね!」ってわかりますよね!
スーパーセルは1つの巨大な積乱雲のことだし、マルチセルは組織化された積乱雲のことですよね。
メソ対流型の移動方向は、対流圏中層の風の進む方向ですよね!
下層風か中層風かって聞かれてる問題だから、中層風じゃないなら下層風ですね。
積乱雲が消えていくのは、下層風の風下側ですよね!
新しい積乱雲が生まれるのは、下層風の風上側でしたよね!
問9:等温線の意味を知っていて算数ができれば解ける問題
大気中のある水平面上で,図のように点 A から西と東にそれぞれ 20km 離れた点 B と 点 C を,18°Cと 20°Cの等温線が東西方向と 45°の角度をなして南西から北東の方向に 通っている。この領域で風速 5m/s の一様な西風が吹いているとき,点 A での水平移流による気温の時間変化率として正しいものを,下記の 1~ 5 の中から 1 つ選べ 。ただし ,水平方向の気温傾度はどこでも一様とする。
④ - 0.9°C/h
地点BとCを通る等温線の角度が一緒ってことは、平行なので角度のことを考えなくてもOK。
ここで考えるべきは、
- 気温変化率「〇℃/km」
- 風速「5m/s」
だけです!
40km離れた地点Bと地点Cは、2℃違うので、1℃/20kmなので、風速もkm単位に直します。
ここで風速は「18km/h」ということがわかりました。
空気の温度は「1℃/20km」で変化してるので、1時間当たりの気温変化率に変えちゃいます!
お、答えが出た!
この問題は、特別な知識不要でしたね。
問10:地球温暖化の海関係の知識を問う!
地球温暖化と海洋の関係について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせ として正しいものを,下記の1~5の中から 1 つ選べ。
(a) 地球温暖化により地球全体で蓄積された熱エネルギーは,大気と海洋でほぼ等分に 蓄積されている。
(b) 観測された全球平均海面水温の100年あたりの上昇割合は,全球平均地上気温の 100 年あたりの上昇割合の 1/10 程度である。
(c) 地球温暖化が引き起こす海面水位の上昇の主な原因は,海水の熱膨張と氷床・氷河の 融解であると考えられている。
④ (a)誤,(b)誤,(c)正
この問題は「地球温暖化」が事実かどうかではなくて、政府機関などがどのような発表をしているかを知っていればOK。
温暖化否定説とか、知ってても忘れておいて下さい。
「一般気象学」に書かれていることと、気象庁の温暖化についての情報から答えがわかります。
気象庁の解説によると、1971年〜2010年までの40年間に地球全体で蓄積された熱エネルギーの9割以上は海洋が吸収してくれています。
だから等分ではないですね。
気象庁の「海面水温の長期変化傾向」に記載されていたのは
場所 | 変化率 |
---|---|
海面 | 0.55℃/100年 |
陸(大気) | 0.94℃/100年 |
1/10というより、6/10くらいですねー。
この問題の答えは、「一般気象学」の277ページにあります!
わりとそのまんま出題されてます。
「一般気象学」ってやっぱり必読本ですね。
まだ持ってなかったらポチっとどうぞ。
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