学科一般~過去問私的解説&ヒント~第53回気象予報士試験

気象予報士試験過去問解説

問6:降水過程〜エーロゾルについての知識が試される問題

問題文

大気中の降水の形成におけるエーロゾルの働きについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の 組み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から 1 つ選べ。

(a) 水溶性のエーロゾルを核として水蒸気が凝結して形成された微小水滴に対する飽和 水蒸気圧は,同じ大きさの純粋な水のみの水滴に対する飽和水蒸気圧よりも高い。

(b) 周囲の大気の相対湿度が高くなると,最初に純粋な水からできた雲粒が形成され, これに水溶性のエーロゾルが取り込まれる。

(c) 過飽和の雲の中では,エーロゾルを核とする凝結過程のみによって1時間程度で 降水をもたらす雨粒にまで急速に成長する。

⑤ (a)誤,(b)誤,(c)誤

はれの
はれの

次のことを知ってれば解けるよ!

(a)水溶性エーロゾルがある方が水滴ができやすい!

  • 水溶性のエーロゾルを核とした水滴
  • 核のない水だけの水滴

この2種類の水滴に対する飽和水蒸気圧の比較問題です。

普通水溶性エーロゾルがある方が水滴ができやすいです。

水滴が出来やすいってことは、少しの水蒸気圧で水滴ができるということ。

少しの水蒸気圧で水滴ができるということは、「飽和水蒸気圧が低い」ということです。

(b)エーロゾルに水がくっつくんですよね?

水滴ができる順番は「水滴にエーロゾルが取り込まれる」んじゃなくて、エーロゾルに水蒸気がついて水滴になる!

(c)凝結過程だけでは雨が降るまでに2日くらいかかっちゃう!

雲粒ができて、凝結過程だけで雨粒になるには、2日くらいかかっちゃうんです。

雨粒は、「凝結過程→併合過程」という違う成長過程を経て、地上まで落ちてくるんです。

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