学科専門~過去問私的解説&考察~第63回気象予報士試験・問2

問2: 高層気象観測

気象庁が行っている高層気象観測について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a) GPS ゾンデによる観測では、上空の気圧は、気温、湿度、GPSの高度情報及び地上気圧を用いて算出されている

(b)ラジオゾンデによる観測では、風向・風速は、ゾンデに取り付けられた風向・風速センサにより直接観測されている

(c)ウィンドプロファイラによる観測では、上空の大気が乾燥していると、散乱され戻ってくる電波が弱くなり、観測できる高度が低くなる傾向がある

(d) ウィンドプロファイラは、上空の風を高度500m毎に20分間隔で観測しており、得られた観測データは実況の監視や数値予報に利用されている。

③ (a)正, (b)誤, (c)正, (d)誤

(a) GPS ゾンデの気圧観測

GPS ゾンデによる観測では、上空の気圧は、気温、湿度、GPSの測位情報から算出しています。

よって、(a)の「GPS ゾンデによる観測では、上空の気圧は、気温、湿度、GPSの高度情報及び地上気圧を用いて算出されている。」は正しい!

(b)ラジオゾンデの風向・風速観測

ラジオゾンデによる観測では、風向・風速、GPSの測位情報から算出するので・・・

(b)の「ラジオゾンデによる観測では、風向・風速は、ゾンデに取り付けられた風向・風速センサにより直接観測されている。」は誤り!

(c)観測できる高度

ウィンドプロファイラは、上空の風を観測してくれます。

観測方法を簡単に説明すると、次の通り。

地上から上空へ電波(マイクロ波)を発射して、大気の粒子や降水粒子に散乱されて戻ってくる電波を観測することで、大気(風)の動きを解析する。

つまり、反射してくれないと、大気(風)の動きがよくわからないのです。

ということは、反射が少なくなる乾燥した状態のとき、散乱され戻ってくる電波が弱くなり、観測できる高度が低くなる傾向があるのでーす!

よって(c)の「ウィンドプロファイラによる観測では、上空の大気が乾燥していると、散乱され戻ってくる電波が弱くなり、観測できる高度が低くなる傾向がある。」は正しい!

(d)観測高度

ウィンドプロファイラは、上空の風を高度300m毎に、10分間隔で観測しています。

よって(d)の「ウィンドプロファイラは、上空の風を高度500m毎に20分間隔で観測しており、得られた観測データは実況の監視や数値予報に利用されている。」は誤り!

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