学科専門~過去問私的解説&考察~第63回気象予報士試験・問5

問5:数値予報のための観測データ

気象庁の数値予報において初期値を作成する客観解析における観測データの取扱いについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)観測データの品質を一定期間モニタリングした結果、品質が低いと判断された観測地点のデータは、数値予報システムの客観解析には使用されない。

(b)気温や風などの観測データは、第一推定値と比較され、その差が定められた基準を超える場合は客観解析には利用されない。

(c) ラジオゾンデによる高層気象観測は大気を直接観測しており精度が高いため、品質管理を行った上で、観測値そのものを観測地点の直近の格子点の解析値としている。

② (a)正, (b)正, (c)誤

(a)品質管理

数値予報では、観測データの精度が悪く誤差と判断された値を除外してから客観解析します。

よって(a)の「観測データの品質を一定期間モニタリングした結果、品質が低いと判断された観測地点のデータは、数値予報システムの客観解析には使用されない。」は正しい!

(b)観測データの品質

気温や風などの観測データは、第一推定値と比較され、その差が定められた基準を超える場合は、客観解析に利用されないことがあります。

よって(b)の「気温や風などの観測データは、第一推定値と比較され、その差が定められた基準を超える場合は客観解析には利用されない。」は正しい!

(c)正しい観測データ

どんなに観測データの品質が正しくても、ラジオぞんでによる観測データだったとしても、観測した値をそのまま解析値とすることはありません。

第一推定値を観測データで修正して、解析値とします。

よって(c)の「ラジオゾンデによる高層気象観測は大気を直接観測しており精度が高いため、品質管理を行った上で、観測値そのものを観測地点の直近の格子点の解析値としている。」は誤り!

その他の過去問を解いてみた記事はこちらからどうぞ
↓ ↓ ↓

隙間時間を有効活用できるミニテストはこちら
↓ ↓ ↓