学科専門~過去問私的解説&ヒント~第58回気象予報士試験・問8

問8:日本周辺の高気圧

問題文

日本周辺に現れる高気圧について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)冬にシベリア付近に現れるシベリア高気圧は、対流圏の下層から上層まで寒冷な空気で満たされた、背の高い高気圧である。

(b)春や秋に日本付近を西から東に通過する移動性高気圧は、高気圧の中心の西側では上・中層雲が広がっていることがしばしばある。

(c)初夏にオホーツク海付近に現れるオホーツク海高気圧は、下層に低温・湿潤な気団を伴った停滞性の高気圧であるが、上空にはブロッキング高気圧が存在することが多く、通常、このブロッキング高気圧の中心付近は周辺と比べて高温になっている。

④ (a)誤, (b)正, (c)正

(a)シベリア高気圧

寒いシベリアの大地では、地上付近で冷えた空気の密度が高くなり、高気圧となります。

これがシベリア高気圧。

つまり、対流圏下層で生まれる背が低い高気圧です。

だから(a)は「冬にシベリア付近に現れるシベリア高気圧は、対流圏の下層から上層まで寒冷な空気で満たされた、背の高い高気圧である。」は誤り。

(b)移動性高気圧

「上・中層雲が広がっている」というのは温帯低気圧により、徐々に天気が崩れようとしている…ということを示しているのでしょう。

移動性高気圧は傾圧不安定波のリッジに対応しています。

そしてリッジの西側にはトラフがあり、そのトラフに対応して温帯低気圧が発生しています。

だから(b)の「春や秋に日本付近を西から東に通過する移動性高気圧は、高気圧の中心の西側では上・中層雲が広がっていることがしばしばある。」は、正しい。

(c)オホーツク海高気圧

オホーツク海高気圧は、陸と海の影響により発生し、下層が低温・湿潤なのはその通り。

停滞性の高気圧なのも、その通り。

上空にブロッキング高気圧が存在することが多いのもその通り。

また、ブロッキング高気圧は上空のジェット気流のリッジ部分に発生するため、周辺より高温になりますね。

以上のことから(c)の「初夏にオホーツク海付近に現れるオホーツク海高気圧は、下層に低温・湿潤な気団を伴った停滞性の高気圧であるが、上空にはブロッキング高気圧が存在することが多く、通常、このブロッキング高気圧の中心付近は周辺と比べて高温になっている。」は正しい。

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