学科専門~過去問私的解説&ヒント~第58回気象予報士試験・問14

問14:雨量指数

問題文

図(ア)〜(ウ)は、都市域を流れるA川流域内におけるある日の15時、16時、および17時の解析雨量の分布(1時間降水量:塗りつぶし域)を示している。また、図(a)〜(c)は、土壌雨量指数、表面雨量指数、流域雨量指数いずれかの時系列図である。図(ア)〜(ウ)の降

雨分布をもとに、地点X(黒丸)における土壌雨量指数および表面雨量指数、並びに、そこから10km下流の地点Y(黒丸)における流域雨量指数の時間変化を示す図(a)〜(c)の組み合わせとして適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。なお、図の範囲外では、その日に雨は降っていないものとする。

③ 地点Xにおける土壌雨量指数: (b)

地点Xにおける表面雨量指数:(a)

地点Yにおける流域雨量指数:(c)

はれの
はれの

まずは用語の理解から。

土壌雨量指数とは

降った雨が土壌にどれだけ貯まっているかを雨量データから、「タンクモデル」という手法を用いて指数化したもの。

私は「土壌に含まれた雨の多さ」だと理解しています。
「一旦多くなるとなかなか減少しない」というイメージもあります。

表面雨量指数とは

短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標。 

私は「土壌に浸み込む前で、地表面に溜まっている雨の多さ」だと理解しています。
「降水の後すぐ増大して、一気に減少する」というイメージ。

流域雨量指数とは

上流域に降った雨によって、どれだけ下流の対象地点の洪水危険度が高まるかを把握するための河川ごとの指標です。

私は「対象地点(河川)の上流で降った雨による洪水の危険度」と理解しています。
「時間差で増大・減少する」というイメージ。

では本題。

各指標の特徴から、(b)は土壌雨量指数っぽいです。

(b)

(b)のピークの時間も16時半くらいで、地点Xでの降水の特徴とも一致します。

次に(a)と(c)のグラフを見比べると、それぞれピークの時間帯が16時過ぎ、17時半過ぎとなっています。

地点Xで1時間降水が多かったのは16時くらいなので、(a)が地点Xの表面雨量指数なのでしょう。

(a)

とすると、(c)が地点Yの流域雨量指数であっても矛盾はありません。

(c)
はれの
はれの

以上のことから、答えは③です。

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