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問 5:太陽放射
大気放射について述べた次の文(a)~(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a) 地球大気は、太陽放射に対して近似的に黒体とみなせることから、その吸収量の計算にはプランクの法則を適用できる。
(b) 波長0.3μm以下の紫外線がほとんど地表面に到達していないのは、成層圏界面に達する前に、酸素分子及びオゾンによってほぼ吸収されるからである。
(c) 地球大気において地球放射を最も多く吸収している気体は二酸化炭素で、次がメタンである。
(d) 大気上端で放射平衡が成り立っている場合、大気上端における上向き地球放射量は、入射太陽放射量とアルベドの積に等しい。
⑤ すべて誤り
地球大気の太陽エネルギー吸収量を計算するには、入ってきたエネルギーと出ていったエネルギーの計算が必要です。
つまり放射平衡温度の計算をするわけで、この計算に使われるのはステファン・ボルツマンの法則です。
プランクの法則は、黒体からの放射を記述する法則で、単位波長あたりの放射強度などを表すことができます。
だから(a)の「 地球大気は、太陽放射に対して近似的に黒体とみなせることから、その吸収量の計算にはプランクの法則を適用できる。」は誤り。
これはひっかけ問題でしょうか!
あれ?正しい文章かな?と思ったら、「成層圏界面に達する前に」って…オイッ
オゾン層は成層圏にあるんだし、(b)の「波長0.3μm以下の紫外線がほとんど地表面に到達していないのは、成層圏界面に達する前に、酸素分子及びオゾンによってほぼ吸収されるからである。」は誤りですね。
もし「対流圏に達する前に」だったら正しいんだけどね。
地球大気で赤外放射を多く吸収する気体といえば、水蒸気です。
温室効果に寄与する割合は48%とか。
水蒸気に次いで温室効果に寄与しているのが、二酸化炭素です。
だから(c)の「地球大気において地球放射を最も多く吸収している気体は二酸化炭素で、次がメタンである。」は誤り。
放射平衡が成り立つってことは、入射太陽放射量と宇宙へ出ていく地球放射量が等しいので・・・
入射太陽放射量とアルベドの「積」はオカシイ。
なので、(d)の「大気上端で放射平衡が成り立っている場合、大気上端における上向き地球放射量は、入射太陽放射量とアルベドの積に等しい。」は誤り。
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