この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
令和6年8月の第62回気象予報士試験の学科・一般知識の問題について、
あなたが次に似たような問題を解く時、「ヒント」となるような内容を目指してます!!!
この記事は、令和6年8月の第62回気象予報士試験の学科・一般知識の問題と解答を持っている人向けの内容です。
※私個人の試験問題を解く時の思考例です。(気象業務支援センターとは関係ございません。)
問1:地球大気の鉛直構造
地球大気の鉛直構造について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。
(a)経度方向に帯状平均した高度15km付近の年平均気温は、赤道付近で最も低くなっている。
(b)中緯度の対流圏界面の高さは季節とともに変動するが、移動性高気圧や温帯低気圧にともなって変動することはほとんどない。
(c) 成層圏では、成層が安定しているため鉛直方向の大気の運動はほとんど起こらない。
(d)熱圏では、大気を構成する分子や原子が太陽放射に含まれる紫外線等によって電離し、中間圏よりも自由電子の数密度が大きい。
② (a)正,(b)誤,(c)誤,(d)正
経度方向というのは、「経度線に沿って」という意味でしょうから、北極から南極までの断面を想像したら良いと思います。
そして高度15kmというのは成層圏下層で、赤道付近では対流圏界面の平均高度が、極側より高くなっています。
よって(a)の「経度方向に帯状平均した高度15km付近の年平均気温は、赤道付近で最も低くなっている。」は正しいです。
対流圏界面の高度は、高気圧や低気圧の通過とともに変動します。
よって(b)の「中緯度の対流圏界面の高さは季節とともに変動するが、移動性高気圧や温帯低気圧にともなって変動することはほとんどない。」は誤り!
成層圏の名前の由来は、「高度と共に気温が上がっているため、たぶん対流しないと考えられるし、成層が安定してるんだろうよ」という推測からです。
しかし実際に観測した結果、様々な形態の運動が絶えず起きていることがわかりました。
よって(c)の「 成層圏では、成層が安定しているため鉛直方向の大気の運動はほとんど起こらない。」は誤り!
「一般気象学(第2版)」 p23〜
①熱圏では紫外線を光電離で吸収します。
②①の時、窒素や酸素から自由電子が飛び出します。
①のように、大気上層で紫外線を吸収するので、下層へいくほど入射する紫外線の量は減ります。
入射する紫外線が減ると、電離する自由電子の数が減ります。
以上の理由から、中間圏では熱圏より空気の密度は高いけれど、自由電子の数密度が小さくなるのです。
よって(d)の「熱圏では、大気を構成する分子や原子が太陽放射に含まれる紫外線等によって電離し、中間圏よりも自由電子の数密度が大きい。」は正しい!