学科専門~過去問私的解説&ヒント~第58回気象予報士試験

ここでわかること

令和 4 年 8 月の第 58 回気象予報士試験の学科専門知識の問題を、晴野はれのだったらこう解く!という考え方や解き方をまとめています。

あなたが次に似たような問題を解く時、「ヒント」となるような内容を目指してます!!!

問1から順番に見る

はれの
はれの

この記事は、令和 4 年 8 月の第 58 回気象予報士試験の学科・専門知識の問題と解答を持っている人向けの内容です。

※私個人の試験問題を解く時の思考例です。(気象業務支援センターとは関係ございません。)

もし第 58 回気象予報士試験の学科・専門の問題と解答を持っていなければ、まずこちらでダウンロードしてください。

\ まずはダウンロード! /

1:地上気象観測

問題文

気象庁が行なっている地上気象観測について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。 

(a)最大風速は風速計の測定値を10分間平均した値の最大値であり、最大瞬間風速は風速計の測定値を3秒間平均した値の最大値である。

(b) 降水とは、 大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体・体およびそれらの併用による生成物、 すなわち雨・ あられ・ひょうなどが落下する現象、又は落下してきたものの総称。

(c) 天気を決める大気現象がなく、全雲量が9以上で、見かけ上の最多雲量が巻雲・巻積雲・巻層雲およびこれらの組み合わせによるとき、天気は薄曇である。

(d)大気現象の霧と煙霧は、 ともにごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1 km 未満の時が霧、 1キロkm以上のときが煙霧である。

① (a)正, (b)正, (c)正, (d)誤

(a)風速

(a)の「最大風速は風速計の測定値を10分間平均した値の最大値であり、最大瞬間風速は風速計の測定値を3秒間平均した値の最大値である。」は、全くその通りです。

テーブルで表示↓

最大風速風速計の測定値を10分間平均した値の最大値
最大瞬間風速風速計の測定値を3秒間平均した値の最大値

(b)降水

気象庁の「気象観測の手引き」によると・・・

降水とは,大気中の水蒸気が凝結したり,昇華してできた液体・固体の生成物,すなわち雨・ 雪・あられ・ひょうなどが落下する現象,又は落下したものの総称である。

引用元:気象観測の手引き

とあるので、(b)の「 降水とは、 大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体・体およびそれらの併用による生成物、 すなわち雨・ あられ・ひょうなどが落下する現象、又は落下してきたものの総称。」は、正しい。

(c)雲量と天気

全雲量が9以上だと天気は「曇」ですが、上層雲主体なら「薄曇」となります。

だから(c) の「天気を決める大気現象がなく、全雲量が9以上で、見かけ上の最多雲量が巻雲・巻積雲・巻層雲およびこれらの組み合わせによるとき、天気は薄曇である。」は、正しい。

(d)霧と煙霧

霧については問題文の通りで良いのですが、煙霧に関しては違います。

煙霧は乾いた微粒子(エーロゾルとか黄砂も含む)が空気中に浮遊して、視程が10km未満の状態。

だから(d)の「大気現象の霧と煙霧は、 ともにごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象で」と言う部分が誤り。

はれの
はれの

普段「今日は煙霧だったね」とか聞かないから難しいよね。

広告

問2:ドップラーレーダー観測

問題文

気象庁の二重偏波気象ドップラーレーダーによる降水の観測について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)気象レーダーから発射される電波は雨粒などの水の中を進むとき、雨粒などのない大気中を進むときと比べて伝搬速度が少し遅くなる。

(b)水平偏波と垂直偏波の反射波の位相の差から、雨の強さを推定することが可能である。

(c)水平偏波と垂直偏波の反射波の振幅の比から、降水粒子の形を推定することが可能である。

① (a)正, (b)正, (c)正

(a)電波の速度

マルチパラメータレーダーについての問題。

電波が降雨の中を通過する時、降雨のない場合に比べて少しだけ伝搬速度が遅くなります。

だから(a)の「気象レーダーから発射される電波は雨粒などの水の中を進むとき、雨粒などのない大気中を進むときと比べて伝搬速度が少し遅くなる。」は正しい!

はれの
はれの

また雨粒が大きいほど遅くなります。

(b)雨の強さを推定する方法

雨が強い時、雨粒も大きくなりますよね。

雨粒は大きいほど、空気抵抗で形状が扁平になります。

また、二重偏波気象ドップラーレーダーの垂直偏波と水平偏波は、扁平な雨粒によって位相の差が生じます。

この位相の差から、雨粒の「垂直方向・水平方向の比」の大きさの違いを観測することができます。

小さな雨粒は「垂直方向・水平方向の比」が小さく、大きな雨粒は「垂直方向・水平方向の比」が大きくなるっことから、降水粒子がどの程度扁平かわかれば、雨の強さを推定できるというわけです。

だから(b)の「水平偏波と垂直偏波の反射波の位相の差から、雨の強さを推定することが可能である。」は正しい!

(c)降水粒子の形

「水平偏波と垂直偏波の反射波の振幅の比から、降水粒子の形を推定することが可能である。」はその通り!

雨粒が大きいほど、雨粒に反射して戻ってくる水平偏波と垂直偏波の差が大きくなります。

広告

問3:ウィンドプロファイラ

問題文

図ア〜エは、ある台風が本州に上陸した際に高田、仙台、酒田、宮古のウィンドプロファイラで観測した高層風の3時から12時の時系列図である。この台風の経路図として適切なものは図(a)〜(e)のうちどれか、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。

なお経路図の△は3時の位置、🔳は12時の位置を示す。

① 図(a)
② 図(b)
③ 図(c)
④ 図(d)
⑤ 図(e)

③ 図(c)

はれの
はれの

私の場合、このタイプの問題は消去法で答えを出します。

台風周辺の風向

3時の高田の風向から、台風の経路は高田の東側のはず。

だから(d)と(e)は除外。

次に仙台の3時から7時の風向から、台風の経路は仙台の東側から北側へ進んだことがわかります。

だから(a)と(b)は除外。

残ったのは(c)なので、答えは(c)。

▼問4以降は次のページをご覧ください。

1 2 3 4 5