学科専門~過去問私的解説&考察~第64回気象予報士試験・問13

問13:気温や暑さに関する指報

気温や暑さに関する情報について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)気象庁が発表している2週間気温予報では、週天気予報の先の2週目について、予報対象地域の日毎(8日先から14日先)の日平均気温の階級を予報している。

(b) 気象庁が発表している高温に関する早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性がいつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報であり、5日間平均気温の予想に基づいて発表される。

(c) 気象庁が発表している週間天気予報の2日目から7日目の最高気温・最低気温の予想値には、気温の予測範囲がされており、実況の気温がこの範囲に入る確率はおよそ80%である。

(d)環境省と気象庁が連携して熱中流への注意喚起を行う熱中症警戒アラートは、前日17時及び当日5時に、最新の予測値を基に対象地域で最高気温が基準値(一部地域を除き35°C)以上になることが予測される場合に、発表される。

④ (a)誤, (b)正, (c)正, (d)誤

(a)2週間気温予報

2週間気温予報では、週間天気予報より先の2週目の気温の目安として、10日先を中心とした5日間平均気温(8~12日先の5日間の平均)について、平年と比べて高い・低い等の階級により地図で示します。

日毎ではないし、8〜12日先の5日間平均です。

よって(a)の「気象庁が発表している2週間気温予報では、週天気予報の先の2週目について、予報対象地域の日毎(8日先から14日先)の日平均気温の階級を予報している。」は誤り!

(b)早期天候情報

早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温や低温、降雪量(冬季の日本海側)となる可能性が、いつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報です。

また、6日先から14日先までの期間で、5日間平均気温が「かなり高い」「かなり低い」となる確率が30%以上、または5日間降雪量が「かなり多い」となる確率が30%以上と見込まれる場合に、発表されるので・・・

(b)の「 気象庁が発表している高温に関する早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性がいつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報であり、5日間平均気温の予想に基づいて発表される。」は正しい!

(c)週間天気予報の気温

週間天気予報で気温は、対象地点における日最高気温及び日最低気温を、発表日の翌々日から7日先まで、1℃単位で表します。

各予報値には、予報の予測範囲(上方及び下方範囲)を1℃単位で示します。

気温の実況がこの予測範囲に入る確率はおよそ80% 。

よって(c)の「 気象庁が発表している週間天気予報の2日目から7日目の最高気温・最低気温の予想値には、気温の予測範囲がされており、実況の気温がこの範囲に入る確率はおよそ80%である。」は正しい!

(d)熱中症警戒アラート

熱中症警戒アラートの基準値には、最高気温ではなく、日最高暑さ指数(WBGT)が用いられています。

よって(d)の「環境省と気象庁が連携して熱中流への注意喚起を行う熱中症警戒アラートは、前日17時及び当日5時に、最新の予測値を基に対象地域で最高気温が基準値(一部地域を除き35°C)以上になることが予測される場合に、発表される。」は誤り!

WBGTとは?

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症の危険度を判断するための指標で、以下の3つの要素から計算されます。

  1. 気温: 周囲の気温
  2. 湿度: 空気中の水蒸気量
  3. 輻射熱(ふくしゃねつ): 地面や建物、太陽光からの熱

WBGTは、単なる気温だけでなく、人体が感じる暑さ(湿度や輻射熱の影響)を総合的に評価するため、熱中症の発生との相関が非常に高いとされています。

このWBGTが、発表基準である33℃以上になると予測された場合に、熱中症警戒アラートが発表されます。

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