学科専門~過去問私的解説&ヒント~第58回気象予報士試験・問10

問10:竜巻およびダウンバースト

問題文

気象台が突風被害の発生した2か所で現地調査を行った結果、1か所では竜巻、もう1ヶ所ではダウンバーストが発生したものと判定された。草木の倒れている方向の調査結果(a)(b)および住民への聞き取りの調査結果(ア)〜(ウ)について、竜巻およびダウンバーストの特徴を示す組み合わせとして適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

〇草木の倒れている方向の調査結果

※図中の矢印は、⚫️の地点の草木や物が倒れたり移動した方向を示したもの。

〇住民への聞き取りの調査結果

(ア)
  • 突風被害時は晴れて気温が高かった。
  • 突然、地面から渦巻が発生してテントが巻き上がった。
(イ)
  • 「ゴーという音が聞こえた。」という住民が多かった。
  • 激しい雷雨だった。
  • 「耳に異常を感じた。」という住民が多かった。
(ウ)
  • 激しい雷雨で雹(ひょう)も伴っていた。
  • 突風が吹く前後で気温が急に低下した。

② 竜巻の特徴:(a),(イ)
ダウンバーストの特徴:(b),(ウ)

まずダウンバーストから考えていきます。

ダウンバーストは積乱雲から落ちてきた冷気が、地面に当たって放射状に広がる強風です。

だから草木の倒れる方向は、放射状になっている方がダウンバーストだと考えられます。

次に、竜巻による風は渦を巻いているので、樹木などはあちこちに倒れると想像できます。

また被害の範囲もダウンバーストは相対的に幅広、竜巻は相対的に幅が狭いはず。

だから・・・

(a):竜巻
(b):ダウンバースト

次に住民への聞き取りについて。

(ア)は晴れていて気温は高く、積乱雲はないようです。

この状態で地面から渦巻きが発生したということは、「旋風」でしょう。

(イ)は雷雨があり、積乱雲があったことがわかります。

さらに「耳に異常を感じた」ということは、急激に気圧が低下したのでしょう。

また「ゴーという音が聞こえた」というのは、猛烈な風が吹いていたのだろうと考えると、「竜巻」でしょう。

(ウ)は雷雨に雹ということで、積乱雲があったことがわかります。

また突風が吹く前後で急激に気温が下がったということなので、冷気プールが存在し、「ダウンバースト」が発生したのでしょう。

以上のことから

竜巻の特徴:(a),(イ)

ダウンバーストの特徴:(b),(ウ)

【晴野が解いてみた】第58回の気象予報士試験の学科試験「予報業務に関する一般知識」はこちら
↓ ↓ ↓

その他の過去問を解いてみた記事はこちらからどうぞ
↓ ↓ ↓

隙間時間を有効活用できるミニテストはこちら
↓ ↓ ↓