学科一般【過去問私的解説&ヒント】第54回気象予報士試験

ここでわかること

令和2年8月の第54回気象予報士試験の学科一般知識の問題を、晴野(はれの)だったらこう解く!という考え方や解き方をまとめています。

あなたが次に似たような問題を解く時、「ヒント」となるような内容を目指してます!!!

問1から順番に見る

はれの
はれの

この記事は、令和2年8月の第54回気象予報士試験の学科一般の問題と解答を持っている人向けの内容です。

※私個人の試験問題を解く時の思考例です。(気象業務支援センターとは関係ございません。)

もし第54回気象予報士試験の学科一般の問題と解答を持っていなければ、まずこちらでダウンロードしてください。

\ まずはダウンロード! /

問1:大気の構造についての問題

問題文

図は標準的な大気における気温の鉛直分布を示したものである。

図A~Dの矩形で示された高度における気層の特性について述べた文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)気層Aでは、大気が波長の短い紫外線などを吸収して、高度が高いほど気温も高い。

(b)電離層は紫外線の作用により形成され、その大部分は気層Bの中にある。

(c)気層Cのオゾン数密度は、大気層全体の中でも最も大きい。

(d)気層Dにおける気温の平均的な鉛直分布は、放射のバランスと対流による大気の鉛直混合および水蒸気の凝結過程によりほぼ決まる。

答えは・・・③!

(a)正
(b)誤
(c)誤
(d)正

はれの
はれの

一つずつ説明しますね!

(a)紫外線吸収と気温が高くなる高度について

【(a)気層Aでは、①大気が波長の短い紫外線などを吸収して、②高度が高いほど気温も高い。】について

気層Aは、熱圏です。

熱圏では、紫外線によって電子が原子核から離れる「電離」が起こっています。

この「電離」が起きると気温が上昇するので、上層ほど高温になっています。

はれの
はれの

だから①も②も正しい!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

34ページ

(b)電離層の成因と高度について

(b)①電離層は紫外線の作用により形成され、②その大部分は気層Bの中にある。

電離層は紫外線によって作られるので①は正しい。

その電離層は熱圏にあるので、②は誤り!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

34ページ

(c)オゾン密度と高度について

(c)気層Cのオゾン数密度は、大気層全体の中でも最も大きい

気層Cは成層圏界面です。

オゾン数密度が一番多いのは、成層圏の中層だから誤り!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

32ページ

(d)対流圏の気温分布のしくみについて

(d)気層Dにおける気温の平均的な鉛直分布は、放射のバランスと対流による大気の鉛直混合および水蒸気の凝結過程によりほぼ決まる。

対流圏の気温分布のしくみですね。

これは正しい!

スポンサーリンク

問2:気体の全圧・分圧

問題文

気温、気圧、相対湿度が、それぞれ27℃、1008hPa、50%の大気における乾燥空気の分圧として、最も適切なものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし、水蒸気の気体定数を461Jkg-1K-1、27℃における飽和水蒸気密度を26gm-3とする。

①1005hPa
②1000hPa
③995hPa
④990hPa
⑤985hPa

答えは④の990hPa!

はれの
はれの

乾燥空気の分圧は?という問題なので

【水蒸気を含む空気の気圧(全圧)】から【水蒸気の気圧(分圧)】を引けばいいんですね!

条件はこれ

  • 水蒸気の気体定数→461Jkg-1K-1
  • 27℃における飽和水蒸気密度→26gm-3
  • 相対湿度→50%

水蒸気の気圧を求める式は、普通の気体の状態方程式でOK。

p=ρRT(気体の状態方程式)

  • ρ:気体の密度→13gm-3(26gm-3の50%)
  • R:気体定数→461Jkg-1K-1
  • T:絶対温度→(27+273)K

上の条件から

水蒸気の気圧=13gm-3×461Jkg-1K-1×(27+273)K

【水蒸気を含む空気の気圧1008hPa】から【水蒸気の分圧18hPa】を引くと・・・

はれの
はれの

1008hPaー18hPa=990hPa!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

47ページ

問3:空気塊の温位と相当温位

問題文

図は、ある未飽和の空気塊を、1000hPaの高度Aから断熱的に持ち上げた時の温位の高度変化を、周囲の大気の温位の高度分布とともに、横軸を温位、縦軸を気圧として示したものである。
空気塊は高度Bで飽和し、高度Cで周囲の大気と温位が等しくなっている。

この空気塊に関する次の文(a)~(d)の正誤について下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
ただし、空気塊は周囲の大気と混合しないものとする。

(a)空気塊の温度は、高度Aから高度Bまで乾燥断熱減率にしたがって下降する。
(b)高度Aと高度Bにおける空気塊の水蒸気の混合比は同じ値である。
(c)高度A、高度B、高度Cにおける空気塊の相当温位は全て同じ値である。
(d)図の範囲内では、高度Cより上の高度で空気塊は下向きの力を受ける。

答えは④の「(d)のみ誤り」!

はれの
はれの

温位相当温位の意味がしっかり理解できていれば、そんなに難しい問題じゃないですね。

(a)温位と水蒸気の凝結について

高度Aから高度Bまでは、温位が変化なしなので、水蒸気の凝結はありませんね。

だから(a)の「空気塊の温度は、高度Aから高度Bまで乾燥断熱減率にしたがって下降する。」はその通りです。

(b)温位と混合比の関係について

高度Aから高度Bまでは、温位が変化なし→水蒸気の凝結はなし→空気塊の水蒸気の混合比は同じ

だから(b)の「高度Aと高度Bにおける空気塊の水蒸気の混合比は同じ値である。」はその通り!

(c)相当温位について

任意の空気塊の相当温位は、水蒸気の凝結前でも凝結後でも変わらないし、なんなら水蒸気の凝結の有無なんて関係ないですよね。

だから(c)の「高度A、高度B、高度Cにおける空気塊の相当温位は全て同じ値である。」はその通り!

(d)温位と鉛直方向の力について

高度Cより上では

空気塊の温位>周囲の空気の温位

なので、空気塊は↑向きの力を受けるはず!

だから(d)の「図の範囲内では、高度Cより上の高度で空気塊は下向きの力を受ける。」は間違い!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

84~86ページ

スポンサーリンク

問4:温度風の関係

問題文

図は、北緯30°に位置する点Aおよび点Bの、850hPa面と500hPa面における風を表したものであり、各図の風ベクトルは同じ縮尺で描いてある。

850hPaでは、点A、点Bともに同じ強さの南風である。

点Bにおける850hPaと500hPaの間の平均気温(K)の温度勾配の大きさは、点Aの温度勾配の大きさの半分で、勾配の向きはいずれも同じである。

この時点Bの500hPaの風ベクトルとして正しいものを下図の中の①~⑤の中から1つ選べ。

ただし、ここでは温度風の関係が成立するものとする。

答えは②!

求めるのは点Bの500hPaでの風ベクトル。

与えられた条件は

  • 850hPaでは、点A、点Bともに同じ強さの南風
  • 850hPaと500hPaの間の平均気温の温度勾配は、点Bは点Aの半分
  • 点Bと点Aの平均気温の温度勾配の向きは同じ
  • 温度風の関係が成立する

850hPaと500hPaの間の平均気温の温度勾配は、点Bは点Aの半分なので…

点Bの500hPaでの温度風の強さは、点Aの500hPaでの風の半分

点Bと点Aの平均気温の温度勾配の向きは同じなので…

点Bと点Aの温度風の向きは同じ

はれの
はれの

ホドグラフで温度風(ベクトル)を描いてみましょう!

まず点Aの風のベクトル。

点A

点Aの温度風はこうなる。

点A

点Bは点Aと温度風の向きは同じで、強さは半分なので…こうなる。

点B

だから答えは②ですね!

はれの
はれの

「温度風の関係」というのは、温度の水平傾度のために、地衡風が高度と共に変わる(強くなる)こと

▶︎「温度風の関係」とは

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

252ページ

スポンサーリンク

問5:霧について

問題文

霧について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から選べ。

(a)エーロゾルの有無は霧の発生に影響を及ぼさない。

(b)初夏から釧路沖で発生する海霧は、海面水温より冷たい空気が、オホーツク海などから流れてきて発生することが多い。

(c)放射霧は雲の少ない夜間から明け方にかけ発生しやすいが、風が強いと発生しにくい。

(d)温暖前線に伴い長時間降雨があり、地表面近くに湿った冷気があるところへ、上空の暖気から比較的高温の雨粒が落下して蒸発すると、前線霧が発生することがある。

答えは⑤! (a)と(b)が誤りで、(c)と(d)が正しいです!

はれの
はれの

では1つずつ検証していきましょう〜

(a)霧とエーロゾルの関係について

霧は地表面付近にあるってだけで雲と同じもの。

だから当然霧の発生は、エーロゾルの有無に影響されます!

だから(a)の「エーロゾルの有無は霧の発生に影響を及ぼさない。」は誤り!

(b)海霧について

初夏に釧路沖で発生する海霧は、オホーツク海の流氷が溶けた冷たい海水の上に、湿った暖かい空気が流れることによって発生します。

だから(b)の「初夏から釧路沖で発生する海霧は、海面水温より冷たい空気が、オホーツク海などから流れてきて発生することが多い。」は逆なので、誤り!

(c)放射霧について

放射霧がよく発生するのは、風が弱く雲のない夜間または明け方なので

(c)の「放射霧は雲の少ない夜間から明け方にかけ発生しやすいが、風が強いと発生しにくい。」は正しい!

(d)前線霧について

前線霧は、湿度が高くなったところへ、上空の暖気から暖かい雨が降った時に発生します。

だから(d)の「温暖前線に伴い長時間降雨があり、地表面近くに湿った冷気があるところへ、上空の暖気から比較的高温の雨粒が落下して蒸発すると、前線霧が発生することがある。」は正しい!

はれの
はれの

湿度でムンムンしてるのを想像しますね〜

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

157ページ〜160ページ

一般気象学では、103ページ

問6:太陽放射・地球放射

問題文

太陽放射や地球放射について述べたつぎの文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)大気は、太陽放射のうち波長が0.3μmより短い紫外線の大部分を、地表面に達する前に吸収する。

(b)雲は、太陽放射を反射し地表の冷却に寄与する一方で、地表面等からの赤外線を吸収し、自らの温度に応じた赤外線を射出することにより地表面を加熱する放射効果をあわせて持っている。

(c)大気は、「大気の窓」と呼ばれる波長域以外では、地球放射をほとんど吸収しない。

答えは②! (a)と(b)が正しくて、(c)が誤りです!

はれの
はれの

では一つずつ解説します!

(a)太陽放射が吸収する紫外線について

地球の大気は可視光線についてはほとんど透明ですが、波長が0.31μmより小さな紫外線は対流圏界面に達する前に、酸素分子やオゾンインよってほぼ吸収されています。

▶︎紫外線による酸素分子・オゾンの光解離

だから(a)の「大気は、太陽放射のうち波長が0.3μmより短い紫外線の大部分を、地表面に達する前に吸収する。」は正しい!

(b)雲と放射について

雲は太陽放射を反射するので、地球を冷却する効果があります。

はれの
はれの

雲で地上の気温が下がって恐竜が絶滅した説もありますよね!

さらに雲には、地球からの赤外線放射を吸収し、地上を保温する鍋の蓋のような働きもあります。

はれの
はれの

雲のある夜〜朝は気温の低下が少ないので、放射冷却による放射霧も発生する可能性低いですよね!

だから(b)の「雲は、太陽放射を反射し地表の冷却に寄与する一方で、地表面等からの赤外線を吸収し、自らの温度に応じた赤外線を射出することにより地表面を加熱する放射効果をあわせて持っている。」は正しい!

(c)大気の窓について

大気が波長11μm前後(8~12μm)の電磁波を吸収しないことを「大気の窓」といいます。

だから(c)の「大気は、「大気の窓」と呼ばれる波長域以外では、地球放射をほとんど吸収しない。」は間違い!

はれの
はれの

ちなみに波長11μm前後(8~12μm)というと、遠赤外線ですね。

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

178~190ページ

一般気象学では、116~128ページ

スポンサーリンク

問7:ダウンバーストの風速

問題文

図はダウンバーストの模式図である。

積乱雲からの下降流は円柱状に生じており、その下降流は地表付近に達するとほぼ水平に、地表面から高度50mまでの範囲で高さ方向に一様な風速で、図のように軸対称に広がるものとする。

高さhにおける円柱の半径を500m、下降流の速さを円柱内で一様に20m/sとする時、地表面近くで下降流の中心から1000m離れた地点Rにおける地表面から高さ50mまでの範囲の水平風速として最も適切なものを、次の①~⑤の中から1つ選べ。

ただし、定常状態を仮定し、高さhおよび地点Rの空気の密度は同じで、地表面との摩擦およびここに述べた以外の風は考慮しないものとする。

①20m/s
②40m/s
③50m/s
④60m/s
⑤80m/s

答えは③の50m/s!

はれの
はれの

まず情報を整理しますね。

求めるのは、地点Rの水平風速。

与えられた条件は

  • 下降流は半径500mの円柱状
  • 下降流の速度は20m/s
  • 地点Rは中心から1000m離れている
  • 地点Rの水平風は50mの厚みがある

とりあえず難しい条件は入ってないので、小学校の算数〜中学校の数学レベルの計算ができればOK!

はれの
はれの

地点Rでの風速を求める方法は、心太を想像してください!

1秒間に流れる空気の量を、面積と速度を使って求めます。

まず、半径500mの円を通る空気の速度は20m/sなので、1秒間に流れる空気の量は

500×500π×20m/s
500×500×20π(m3/s)・・・①

地点Rを通る時、空気の通る面積はこの側面の部分だから

この側面の面積を求めるのは簡単♪

面積は円周×高さなので

2×1000×50π(m2)

風速はわからないのでVにして、1秒間に地点Rを通る空気の量は

2×1000×50Vπ(m3/s)・・・②

①と②は等しいので

500×500×20π(m3/s)= 2×1000×50Vπ(m3/s)

はれの
はれの

風速は50m/s!

ほとんど計算しなくても、答えが出ましたね。

他の解き方もありますよ〜(うちの息子の場合)

別の解き方(作業量は同じ)

①の面積は→500×500π×m2=25×104m2
②の面積は→2×1000×50πm2=105m2

①:②=5:2

入り口①より出口②は2/5狭いから、5/2倍のスピードになると考えて・・・

20×5/2=50m/s

はれの
はれの

どっちの計算でも、答えは同じ!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

・・・これは探しても書いてないです。´д` ;

スポンサーリンク

問8:温帯低気圧について!

問題文

中緯度の温帯低気圧が発達し、その発達過程が終了した段階における特徴について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)対流圏上層に、切離した低気圧があることが多い。

(b)南半球においては、発達時に上空に向かって東に傾いていた気圧の谷の軸がほぼ鉛直となる。

(c)地上低気圧の上空には、対流圏界面の高度が周囲より低いところがある。

答えは③! (a)と(c)が正しくて、(b)が誤りです!

はれの
はれの

温帯低気圧の衰退期ってどんなだったかな?

(a)温帯低気圧衰退期の上層について

温帯低気圧の発達期が終わった時、対流圏上層に切離した低気圧・・・あること多いよね!

温帯低気圧の上空での流れ

だから(a)の「対流圏上層に、切離した低気圧があることが多い。」は正しい!

(b)南半球の温帯低気圧について

南半球ではコリオリの力が左向きに働きますが、「温帯低気圧発達期に気圧の谷尾軸が上空に向かって傾いている」のは北半球と一緒のはずだし、傾きの方向は南半球でも西になるはず・・・

だから(b)の「南半球においては、発達時に上空に向かって東に傾いていた気圧の谷の軸がほぼ鉛直となる。」は誤り!

(c)対流圏界面について

低気圧の上空は、気層ごと対流圏界面も下がっている(成層圏が落ちてきてる?)イメージでOK。

だから(c)の「地上低気圧の上空には、対流圏界面の高度が周囲より低いところがある。」は正しい!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

318~324ページ(直接の答えが書かれているわけではありません。)

一般気象学では、183ページ

問9:台風について

問題文

台風について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)台風は、積雲対流によって放出される潜熱をエネルギー源として発達するとともに、そのエネルギー源により勢力が維持される。

(b)最盛期の台風の中心付近の中上層には、周辺より気温の高い暖気核が存在する。

(c)各高度における台風の最大風速は、一般的には、地表面から対流圏界面まで高さとともに増大する。

答えは①! (a)と(b)が正しくて、(c)が誤りです!

(a)台風のエネルギー源について

台風のエネルギー源は、水蒸気の潜熱。
台風の勢力維持のエネルギー源も、水蒸気の潜熱。

だから(a)の「台風は、積雲対流によって放出される潜熱をエネルギー源として発達するとともに、そのエネルギー源により勢力が維持される。」は正しい!

(b)台風の暖気核について

発達した台風は、中心の上層(300hPaを中心に)暖気核を持っています。
(一般気象学237ページ図8.29参照

だから(b)の「最盛期の台風の中心付近の中上層には、周辺より気温の高い暖気核が存在する。」は正しい!

(c)台風の最大風速について

台風の最大風速は、大気境界層の上、高度2kmあたりで最大になります。

だから(c)の「各高度における台風の最大風速は、一般的には、地表面から対流圏界面まで高さとともに増大する。」は誤り!

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

354ページ〜366ページ

一般気象学では231ページ〜238ページ

スポンサーリンク

問10:成層圏について

問題文

成層圏について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)1月の成層圏上部においては、一般に北極付近が全球の中で最も気温が低い。

(b)1月の北半球の成層圏上部では、プラネタリー波の対流圏からの伝播により、アリューシャン列島付近に高気圧がしばしば現れる。

(c)対流圏から成層圏へプラネタリー波が伝播するのは、成層圏が西風になっているときである。

(d)成層圏に伝播するプラネタリー波は、地形や海陸の熱的効果により励起され、2000km程度の波長を持つ。

答えは①! (a)と(b)と(c)が正しくて、(d)が誤りです!

(a)成層圏の気温について

イラスト図解よくわかる気象学」の370ページ
一般気象学」だと251ページにある図を見てください。

成層圏上部っていうのは、高度50kmくらいです。

1月…つまり北半球が冬半球になるとき、成層圏界面付近では南極付近が一番気温が高く、北極付近の方は気温が低くなっています。

だから(a)の「1月の成層圏上部においては、一般に北極付近が全球の中で最も気温が低い。」は正しい!

(b)プラネタリー波とアリューシャン高気圧について

1月…北半球が冬季、上部成層圏(高度25km〜30km)でアリューシャン上空に高気圧が卓越します。

はれの
はれの

このアリューシャン高気圧の成因は、ユーラシア大陸に起因する波数1のプラネタリー波の鉛直伝播。

だから(b)の「1月の北半球の成層圏上部では、プラネタリー波の対流圏からの伝播により、アリューシャン列島付近に高気圧がしばしば現れる。」は正しい!

(c)プラネタリー波ん鉛直伝播について

プラネタリー波は超長波のことで成層圏が東風の時は鉛直方向に伝播しません。

成層圏まで伝播するのは「成層圏が西風」の時。

だから(c)の「対流圏から成層圏へプラネタリー波が伝播するのは、成層圏が西風になっているときである。」は正しい!

(d)プラネタリー波のスケールについて

プラネタリー波は大規模な地形の影響で対流圏で発生する、波長が1万km以上の定常的な波です。

だから(d)の「成層圏に伝播するプラネタリー波は、地形や海陸の熱的効果により励起され、2000km程度の波長を持つ。」は誤り!

2000km程度って、マックスのメソスケール現象ですね。温帯低気圧とか。

イラスト図解よくわかる気象学の何ページに書いてある?

310ページ,370ページ〜

一般気象学なら、251, 256, 262ページ

問11:温室効果ガスCO2

問題文

主要な温室効果ガスである二酸化炭素について述べた次の文章の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

人為起源の二酸化炭素は、化石燃料の燃焼やセメント生産などで大気中に排出され、その一部は(a)植物や海洋に吸収されている。

大気中に残留するのは人為起源の二酸化炭素排出量の(b)5%程度であり、これが蓄積して大気中の二酸化炭素の濃度は平均的は年々増加している。

大気中の二酸化炭素の濃度には、地域による違いや季節変動があり、各半球の平均でみれば、(c)北半球のほうが南半球より濃度が高く、北半球では(d)夏の方が冬より濃度が低くなる

答えは②! (a)と(c)と(d)が正しくて、(b)が誤りです!

(a)二酸化炭素と植物・海洋について

人為起源の二酸化炭素が植物や海洋に吸収されるか?についてです。

はい、吸収されます。

だから、人為起源の二酸化炭素は、化石燃料の燃焼やセメント生産などで大気中に排出され、その一部は「(a)植物や海洋に吸収されている。」は正しい!

(b)大気中に残留する二酸化炭素について

「人為起源の二酸化炭素は大気中に40%残留し、海洋に30%、陸上の生態系に30%に吸収される」と気象庁のHPに記載されています。▶︎気象庁

だから、大気中に残留するのは人為起源の二酸化炭素排出量の「(b)5%程度」は誤り!

(c)南北半球と二酸化炭素について

大気中の二酸化炭素は、人間が多く住んでいる北半球の方が放出源が多いため、南半球より北半球の方が多くなっています。

だから、「(c)北半球のほうが南半球より濃度が高く、」は正しい!

(d)大気中の二酸化炭素と季節について

植物が大気中の二酸化炭素を吸収するのは、植物の成長が盛んになる夏の方が冬より多くなります。

だから北半球では「(d)夏の方が冬より濃度が低くなる。」は正しい!

問12:予報業務に必要な許可

問題文

気象庁以外の者が予報業務を行ときに必要な気象庁長官の許可に関する次の文(a)~(d)の正誤について、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)気象庁が発表した最高気温の予報を用いて、熱中症に関する注意喚起の情報を発表するときには、予報業務の許可を受けなければならない。

(b)気象予報士が、観光地の独自の天気予報を個人のホームページに公開するときは、予報業務の許可を受ける必要はない。

(c)気象予報士の資格を持つ社員が、屋外作業のための現場周辺のきめ細かな天気予報を行うときは、自社だけの使用であっても予報業務の許可を受けなければならない。

(d)ある街の桜の開花予想を地元観光協会のホームページで公開するときは、予報業務の許可を受ける必要はない。

  1. (a)のみ正しい
  2. (b)のみ正しい
  3. (c)のみ正しい
  4. (d)のみ正しい
  5. すべて誤り

答えは④! (d)のみ正しい。

(a)許可が必要な予報業務について

気象庁長官から「予報業務の許可」が必要なのは、気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水の予報の業務を行おうとする場合。

熱中症に関する注意喚起の情報は、「気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水」じゃないので気象庁長官の許可は不要。

だから(a)の「気象庁が発表した最高気温の予報を用いて、熱中症に関する注意喚起の情報を発表するときには、予報業務の許可を受けなければならない。」は誤り!

(b)独自の天気予報について

気象庁の発表した天気予報を右から左に流すのは許可は不要なんだけど、「独自の天気予報」には許可が必要なんですよ。

だから(b)の「気象予報士が、観光地の独自の天気予報を個人のホームページに公開するときは、予報業務の許可を受ける必要はない。」は誤り!

(c)仲間内での天気予報について

自分の所属している会社や学校のためなど、仲間内に対する予報業務って許可は不要です。

だから(c)の「気象予報士の資格を持つ社員が、屋外作業のための現場周辺のきめ細かな天気予報を行うときは、自社だけの使用であっても予報業務の許可を受けなければならない。」は誤り!

はれの
はれの

学校の先生が「運動会のために天気予報する」のも許可は不要です。

(d)桜の開花予想について

桜の開花予想は「気象、地象、津波、高潮、波浪又は洪水」の予想ではないです。

だから(d)の「ある街の桜の開花予想を地元観光協会のホームページで公開するときは、予報業務の許可を受ける必要はない。」は正しい!

はれの
はれの

洗濯物の渇きやすさを予報するのも許可は不要ってことですね。

「気象業務の許可」参考ページ▶︎イーガブ

スポンサーリンク

問13:気象予報士の配置について

問題文

予報業務の許可を受けた者が予報業務を行う際の気象予報士の配置等に関する次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)現象の24時間先から1週間先までの予報作業を毎日4時間にわたり行うとして予報業務の許可を受けた者は、事業所ごとに3人以上の気象予報士を配置しなければならない。

(b)事業所において現象の予想に携わる気象予報士は、気象庁長官から発行された気象予報士登録通知書を事業所に掲示しておかなければならない。

(c)複数の気象予報士の配置が規定されている事業所において規定数の気象予報士から1名が欠員となった場合には、1ヶ月以内であればその欠員が補充されるまでの間、残った気象予報士により予報業務を継続することができる。

(d)予報業務許可事業者は、予報業務のうち現象の予想を行う事業所ごとに、国土交通省令で定められた人数以上の専任の気象予報士をおかなければならない。ただし予報業務を的確に遂行する上で支障がないと気象庁長官が認める場合は、この限りではない。

答えは⑤! (a)と(b)と(c)が誤りで、(d)が正しい!

(a)気象予報士の人数について

事業所ごとに「配置しなければいけない気象予報士の人数」は決まっています。

予報作業時間必要な気象予報士の人数
8時間以内2人
8時間を超過して16時間以内3人
16時間を超過4人

(a)の「現象の24時間先から1週間先までの予報作業を毎日4時間にわたり行う」ということなので、気象予報士は2人いればいいですね。

だから「事業所ごとに3人以上の気象予報士を配置しなければならない。」は誤り!

※第50回気象予報士試験にも出ました。

(b)気象予報士登録通知書の掲示について

この問題見るたびに目が点になるんですが、(b)の「事業所において現象の予想に携わる気象予報士は、気象庁長官から発行された気象予報士登録通知書を事業所に掲示しておかなければならない。」は誤りです!

掲示しなくていいです!

はれの
はれの

気象予報士登録通知書はどんな理由があっても再発行してもらえないので、自宅で大切に保管しましょう!

(c)欠員が補充されるまでの期間について

欠員の補充は1ヶ月以内ではなく、2週間以内にしなければいけません!

(c)複数の気象予報士の配置が規定されている事業所において規定数の気象予報士から1名が欠員となった場合には、1ヶ月以内であればその欠員が補充されるまでの間、残った気象予報士により予報業務を継続することができる。」は誤り!

※第50回気象予報士試験にも出ました。

(d)気象予報士の配置・人数について

「予報業務許可事業者は、予報業務のうち現象の予想を行う事業所ごとに、国土交通省令で定められた人数以上の専任の気象予報士をおかなければならない。」はその通り、正しい!

「ただし予報業務を的確に遂行する上で支障がないと気象庁長官が認める場合は、この限りではない。」も正しい!

「気象業務の許可」参考ページ▶︎イーガブ

問14:罰則について

問題文

気象業務法に規定する罰則が適用される事例について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)地方公共団体が気象庁に届出をして使用している雨量計を、通行人が正当な理由がないのに壊した。

(b)ある小学校が、気象庁長官の検定を受けていない風速計を校庭に設置して毎日一定の時刻に観測し、その成果を教育のために利用していた。

(c)気象庁長官の命を受け、私有地で観測を行おうとした気象庁職員の立ち入りを、土地所有者が正当な理由なく拒んだ。

答えは③! (a)と(c)が罰則ありで、(b)が罰則なしです!

(a)気象測器を壊す罪について

(a)の「地方公共団体が気象庁に届出をして使用している雨量計を、通行人が正当な理由がないのに壊した。」は罰則ありです!

しかも・・・

三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用:気象業務法第四十四条

気象業務法の罰則の中で最も思い罪です!

気象測器、壊すべからず!!!

(b)学校での観測と教育について

気象業務のための気象測器は検定に合格したものを使わないと〜などの決まり事はありますが・・・

学校で風速を観測して、生徒への教育に利用するのは自由です。

だから(b)の「ある小学校が、気象庁長官の検定を受けていない風速計を校庭に設置して毎日一定の時刻に観測し、その成果を教育のために利用していた。」は罰則なし!

(c)観測のための立ち入りについて

(c)の「気象庁長官の命を受け、私有地で観測を行おうとした気象庁職員の立ち入りを、土地所有者が正当な理由なく拒んだ。」は罰則あり!

第三十八条第一項に「気象庁職員の立ち入り」が可能なことが明記されています。

もし立ち入りを拒んだら・・・

三十万円以下の罰金に処する。

引用:気象業務法第四十七条

スポンサーリンク

問15:災害対策基本法について

問題文

災害対策基本法における市町村の責務に関する次の文章の空欄(a)~(d)に入る適切な語句の組み合わせを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

災害対策基本法において、市町村は、(a)地方公共団体として、当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、(b)を作成し、実施する責務を有しており、市町村長は、災害が発生し、または発生するおそれがある場合には、避難のための(c)勧告し、及び急を要すると認めるときは、避難のための(c)(d)することができる。

答えは⑤!

はれの
はれの

災害対策基本法の第五条と第六十条です!

第五条 市町村は、基本理念にのつとり、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施する責務を有する。

第六十条 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の居住者等に対し、避難のための立退きを勧告し、及び急を要すると認めるときは、これらの者に対し、避難のための立退きを指示することができる。

引用:災害対策基本法

※第五条の「防災に関する計画」は「防災計画」のことであり、「地域防災計画」のことです。

▶︎第54回試験の専門知識の解説はこちら

さいごに

第54回の気象予報士試験の学科試験の「予報業務に関する一般知識」を私・晴野の解き方を紹介しました!

試験の内容も、気象業務支援センターに一報入れて、書かせてもらってます。
※解説内容は気象業務支援センターとは関係ありません。晴野独自のものです。

はれの
はれの

どんな風に説明したら私の考えが伝わるのか、試行錯誤中。

一旦公開してますが、見直して、修正していく予定です。

それと、この過去問解説はどの機関のチェックも受けていないので、もしかしたら間違った内容になっているものもあるかもしれません。

もし「ここおかしいよ!」というのを見つけたら、遠慮せずに「お問い合わせ」からご連絡いただけたら嬉しいです。m(*_ _)m

題54回気象予報士試験の学科・専門知識の解説はこちら

学科専門【過去問私的解説&ヒント】第54回気象予報士試験

第54回気象予報士試験【実技試験1】【実技試験2】の過去問解説はこちら(noteにて、当分無料で公開しておく予定です。)

▶︎第53回気象予報士試験【学科・一般知識】

▶︎第53回気象予報士試験【学科・専門知識】

▶︎第52回気象予報士試験【学科・一般知識】

▶︎第52回気象予報士試験【学科・専門知識】