学科一般~過去問私的解説&ヒント~第54回気象予報士試験

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問3:空気塊の温位と相当温位

問題文

図は、ある未飽和の空気塊を、1000hPaの高度Aから断熱的に持ち上げた時の温位の高度変化を、周囲の大気の温位の高度分布とともに、横軸を温位、縦軸を気圧として示したものである。
空気塊は高度Bで飽和し、高度Cで周囲の大気と温位が等しくなっている。

この空気塊に関する次の文(a)~(d)の正誤について下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
ただし、空気塊は周囲の大気と混合しないものとする。

(a)空気塊の温度は、高度Aから高度Bまで乾燥断熱減率にしたがって下降する。
(b)高度Aと高度Bにおける空気塊の水蒸気の混合比は同じ値である。
(c)高度A、高度B、高度Cにおける空気塊の相当温位は全て同じ値である。
(d)図の範囲内では、高度Cより上の高度で空気塊は下向きの力を受ける。

答えは④の「(d)のみ誤り」!

はれの
はれの

温位相当温位の意味がしっかり理解できていれば、そんなに難しい問題じゃないですね。

(a)温位と水蒸気の凝結について

高度Aから高度Bまでは、温位が変化なしなので、水蒸気の凝結はありませんね。

だから(a)の「空気塊の温度は、高度Aから高度Bまで乾燥断熱減率にしたがって下降する。」はその通りです。

(b)温位と混合比の関係について

高度Aから高度Bまでは、温位が変化なし→水蒸気の凝結はなし→空気塊の水蒸気の混合比は同じ

だから(b)の「高度Aと高度Bにおける空気塊の水蒸気の混合比は同じ値である。」はその通り!

(c)相当温位について

任意の空気塊の相当温位は、水蒸気の凝結前でも凝結後でも変わらないし、なんなら水蒸気の凝結の有無なんて関係ないですよね。

だから(c)の「高度A、高度B、高度Cにおける空気塊の相当温位は全て同じ値である。」はその通り!

(d)温位と鉛直方向の力について

高度Cより上では

空気塊の温位>周囲の空気の温位

なので、空気塊は↑向きの力を受けるはず!

だから(d)の「図の範囲内では、高度Cより上の高度で空気塊は下向きの力を受ける。」は間違い!

ここに書いてあるよ
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