学科専門~過去問私的解説&ヒント~第53回気象予報士試験

第53回気象予報士試験学科専門知識解説

問15:大気と海洋の特徴について

【問題文】

図 A は,ある年の 2 月の月平均 500hPa 高度(実線)と平年差(塗りつぶし)であり,図 B は,月平均海面気圧(実線)と平年差(塗りつぶし)である。これらの図から読み取れる大 気と海洋の特徴について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入る語句の組み合わせとして正 しいものを,下記の1~5の中から 1 つ選べ。

図 A では,アリューシャン列島の東で正偏差,北米北部で負偏差,北米南東部で正 偏差の波列パターンがみられる。これは, (a) が発生しているときに現れやすいパタ ーンである。また,ヨーロッパから極東域にかけては,ヨーロッパ付近で負偏差,西 シベリアから中央シベリアにかけて正偏差,極東域で負偏差の波列パターンがみられ, これは (b) と呼ばれる。

図 B では,地上のアリューシャン低気圧の勢力は中心の東側で平年よりも (c) なっ ており,(a) が発生しているときの特徴がみられる。

④ (a)ラニーニャ現象,(b)ユーラシアパターン,(c)弱く

はれの
はれの

500hPa高度の平年偏差・・・ものすごく馴染みがなくて、勉強が辛くなる部分ですよね!

でも何度も参考書や気象庁の解説を読めば、そのうちわかるようになるので頑張ろう!

(a)図Aはエルニーニョ の反対の特徴

エルニーニョ 現象が起きている冬季、絶対ではないですが、500hPaの高度偏差は、PNA(Pacific North American)パターン、またはWP(Western Pacific)パターンとなることがあります。

それぞれの特徴をまとめました。↓

PNA(Pacific North American)パターン
  • 極東域(アリューシャン列島あたり)負の偏差
  • 北米北部あたりで正の偏差
  • 北米南東部あたりで負の偏差
WP(Western Pacific)パターン
  • 日本の北あたりで負の偏差
  • 日本の本州以南あたりで正の偏差

図Aでは、

  • 極東域(アリューシャン列島あたり)正の偏差
  • 北米北部あたりで負の偏差
  • 北米南東部あたりで正の偏差

とPNAパターンの逆になっているので、答えは「ラニーニャ現象」ですね。

詳しくはこちらで学べます→気象庁

(b)北極振動とユーラシアパターン

そもそも選択肢にある「北極振動」と「ユーラシアパターン」ってなんじゃいな?ってことで、まとめます。

北極振動北半球の循環の卓越する変動パターン
(いくつかのパターンがある)
主に高緯度側と中緯度側で正負が分かれる。
ユーラシアパターンヨーロッパからユーラシア大陸をまたぐ大きな破裂パターン。
典型的なパターンは、ヨーロッパと東アジアで負偏差、西シベリアでは正偏差。

問題文には

  • ヨーロッパで負
  • 西シベリア〜中央シベリアで正
  • 極東で負

ってことなので、北極振動の「高緯度側と中緯度側で分かれる」じゃなくて「ユーラシアパターン」ですね。

(c)ラニーニャとアリューシャンの低気圧の関係

絶対ではないんですが・・・

ラニーニャ現象が起きている時、冬にアリューシャン低気圧が弱区なるパターンがあります。

アリューシャン低気圧が弱くなるのは、偏西風の蛇行が日本の東海上で低気圧を弱める・・・低気圧を強めない流れになるんです。

はれの
はれの

逆にエルニーニョ との時は、アリューシャン低気圧は強められる傾向があります。

だから(c)は「弱く」ですね!

「気象予報士ハンドブック(418ページ〜421ページ)」でも解説されていますが・・・

はれの
はれの

「気象予報士ハンドブック」、値段が高いんですよ。(私は割引がある時に買いました)

財布に余裕があれば買っても良いと思いますが、受験に必須ではないです。

参考書籍

自分の記憶が間違ってたら、読んでくださったあなたにもご迷惑になるので、一応参考書籍というか、自宅にある本で確認しつつ書きました。

created by Rinker
¥3,080 (2024/05/06 00:32:48時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
ナツメ社
¥3,190 (2024/05/05 17:07:13時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥2,640 (2024/05/06 06:55:41時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥1,825 (2024/05/06 04:51:52時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
¥13,839 (2024/05/06 04:51:53時点 Amazon調べ-詳細)

最後に・・・

僭越ですが、私の解答方法をまとめました。

なんていうか、一般知識の問題と違って、専門知識の問題は疲れますね。

問題文を読んでも目が滑ると言うか、軽く読んだくらいでは、内容が頭に入ってこないです。

でも今は試験勉強にもお金がかからなくなって、最高な時代だと思います。

過去問を解く時も、わからない言葉や内容は、検索すればだいたい見つかりますから。

はれの
はれの

私は検索する時、「〇〇(わからないこと) 気象庁」と検索します。 

情報の出どころが気象庁なら、試験対策としては確かな情報だし、カラーの図解も多いのもいいですね。

過去問でわからなかったところは、必ずノートなどにまとめるのをおすすめです。

あなたの合格を祈ってますよー(≧∇≦)/

▶︎過去問解説記事もくじ

実技試験の過去問解説はこちら↓

第54回気象予報士試験【学科・一般知識】の過去問解説はこちら

【過去問】第53回気象予報士試験・学科・一般を、私だったらこう解きます!ってのをまとめています。

第52回気象予報士試験【学科・一般知識】の過去問解説はこちら

第52回気象予報士試験【学科・専門知識】の過去問解説はこちら

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15