学科専門~過去問私的解説&ヒント~第53回気象予報士試験

第53回気象予報士試験学科専門知識解説

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問8:積乱雲とそれに伴う現象について

【問題文】

積乱雲およびそれに伴う現象について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合 わせとして正しいものを,下記の1〜5の中から 1 つ選べ。

(a) 日本において,発達した積乱雲がもたらす⻯巻やダウンバースト,ガストフロント は,いずれも沿岸部で多く発生する傾向がある。

(b) 発達した積乱雲に伴う冷たい下降気流が地表面にぶつかり周辺に吹き出すとき, その先端部で地表付近の湿った暖かい空気が持ち上げられて,新たな積乱雲が発生 することがある

(c) 衛星画像で,対流圏中・上層の一般風の風上側に向かって,次第に細く毛筆状ある いはにんじん状になっている雲域をにんじん状雲と呼び,特に先の細くなった部分 で激しい雨,突風 ,雷,降ひょうなどの顕著現象を伴うことが多い。

④ (a)誤(b)正(c)正

はれの
はれの

積乱雲は激しい気象現象を連れてくるから、深掘りして知っておく必要がある・・・と思っています。

(a)ダウンバースト・ガストフロントは別!

気象庁の分布図を見てみましょう。

まず竜巻分布図

引用:気象庁

次は突風分布図です。

引用:気象庁

続いてダウンバーストとガストフロント分布図です。

引用:気象庁

ダウンバーストとガストフロントは、明らかに沿岸部じゃないですね。

だから答えは誤り!

(b)積乱雲の自己増殖(世代交代)

(b)は全くその通り!

マルチセル型の積乱雲を想像してもらうとわかりやすいです。

養分(暖湿気)があると、次々に増えてしまうという・・・まるで単細胞生物のようです。

というわけで、(b)は〇!

(c)テーパリングクラウド(人参状雲域)

衛生画像で見た時、人参のような形の「テーパリングクラウド」は、発達した積乱雲です。

上からみると・・・

横から見ると・・・

金床雲の上部が、ウエディングベールみたいに広がって見えるのが、「テーパリングクラウド(人参状雲域)」だと覚えておけばOKですね!

だから(c)も〇!

「イラスト図解 わかりやすい気象学 専門知識編」のどこに書いてある?

「イラスト図解 よくわかる気象学 第2版」の338ページ

一般気象学213ページ

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