学科専門【過去問私的解説&ヒント】第52回気象予報士試験

ここでわかること

令和元年8月の第52回気象予報士試験の学科・予報業務に関する専門知識を、晴野(はれの)だったらこう解く!という私の「考え方や知っていること」を共有します。

おすすめテキスト「イラスト図解 よくわかる気象学 専門知識編」の何ページに書かれているかもメモしているので、勉強の際に役立ちます。

問1から順番に見る

はれの
はれの

令和元年8月の第52回気象予報士試験の学科・予報業務に関する専門知識の問題と解答を持っている人向けの内容です。

※私個人の試験問題を解く時の思考例です。(気象業務支援センターとは関係ございません。)

もし第53回気象予報士試験の学科一般の問題と解答を持っていなければ、まずこちらでダウンロードしてください。

\ まずは過去問と解答をダウンロードしてね! /

問1:電気式温度計についての基本!

問題文

気象庁が行う気温の観測について述べた次の文章の空欄(a)〜(c)に入る適切な語句の 組み合わせを,下記の1〜5の中から一つ選べ。

電気式温度計の感部は,通風筒と呼ばれる筒の中に収容されている。通風筒は断熱 材を挟む金属製の二重の円筒容器で,その上部にはファンが取り付けられており,円筒内を(a)に通風することにより,(b)がないようにしている。また,通風筒下部 に取り付けられた遮へい板により,(c)の影響を防ぐ構造になっている。

この問題は、電気式温度計について知識を問うものです。

はれの
はれの

観測機器については、気象庁や気象台のHPを見るのが一番勉強になる!(最新情報だし♪)

電気式温度計の外観はこんなの。↓

引用:福岡管区気象台

電気式温度計の入った通風筒では(a)上向きに通風するし

通風筒が電動で強制的にしたから上に風を送っている理由は、(b)外気との温度差がないようにするためです。

「通風筒下部に取り付けられた遮へい板」は、(c)地表面で反射した日射を防ぐ効果があります。

気象庁のHPにも記載されてます。

通風筒の下部には、地面で反射した日射が直接当たるのを防ぐための遮へい板も付いています。

引用:気象庁

だから答えは②!

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

41〜42ページに関連情報が書かれています。

よく読んでおこう!

問2:サービス問題!気象レーダー観測の基本

よくある〇X問題です。

問題文の下線部が正しいかどうか?!

(a)問題文

(a) 気象レーダーは,発射した電波と戻ってきた電波の周波数のずれ(ドップラー効果) を利用して降水強度を観測する。

(a)は、間違いですね

気象レーダーのドップラー効果は、対象物の移動方向や移動速度を観測しているので、降水強度を観測しているわけじゃあありません〜

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

178ページ〜「気象ドップラーレーダーについて」

(b)問題文

(b) 水平に発射された電波はほぼ直進するが,地表面が曲率をもっているため,気象 レーダーからの距離が遠くなるにつれて低い高度の降水粒子を観測できなくなる。

(b)は〇!

地球は丸いので、発射されたレーダーは距離が遠くなるにつれ、観測できる高度は高くなるんですよね。

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

168ページ〜「気象レーダービームの高度のよる誤差」

(c)問題文

(c) 気象レーダーから発射された電波の伝搬経路上に山岳があるときは,他のレーダー データとの合成等を行わなければ,ほとんどの場合山岳の向こう側を観測できない。

(c)は〇!

気象レーダーの非降水エコーの中には、地形エコーってのがあって、山があると向こう側にレーダーは届かないのです。

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

172ページ〜「地形エコー」

(d)問題文

(d) 気象レーダーで降水エコーが観測されていても,降水粒子が落下する途中で蒸発 したり下層の風に流されたりして,直下の地上で降水が観測されないことがある。

(d)は〇!

(b)でもあったように、気象レーダーは遠くにいくほど高いところを観測することになるので、蒸発前の降水粒子を観測しちゃうこともあるんですよ〜

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

169ページ〜「気象レーダービームの高度による誤差」

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問3:知らないと解けない!地上から成層圏までの鉛直分布´д` ;

はれの
はれの

ダウンロードした問3の図を見ながら考えますよ〜

問題主文

図は南鳥島において,ある日の 9 時にラジオゾンデで観測した気温,湿度,風速, 風向の鉛直分布である。この図の特徴について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組 み合わせとして正しいものを,下記の1~5の中から一つ選べ。

図を見ると、高度は10hPaまでなので、地上から成層圏の上端までの

  • 気温
  • 湿度
  • 風速
  • 風向

の鉛直分布から、何がわかるのかが試されます。

(a)問題文

(a) 800hPa付近には気温の逆転層がある。これは,下層の冷たい空気層の上を暖かい 空気が滑昇することにより起きる前線性の逆転層である。

下線部の内容は「間違い」です。

確かに気温のグラフを見ると、800hPaあたりに段が見られますが、「前線性の逆転層」ってところが違います。

逆転層には

  • 接地逆転(放射逆転)
  • 沈降性逆転
  • 前線性逆転

があるけれど、まずは地面にとちょっと離れたところだから「接地逆転」じゃないよね。

じゃあ、「沈降性逆転」と「前線性逆転」を見分けるには・・・

はれの
はれの

見分けるポイントは湿度の鉛直分布!

  • 前線性の逆転層なら、逆転層の上は湿度が高くなる
  • 沈降性の逆転層なら、逆転層の底で一番湿度が高くて、その上はガクンと湿度が下がる。

湿度のグラフを見ると、沈降性逆転層の特徴がそのまんま当てはまるので

はれの
はれの

この800hPaあたりの逆転層は
「沈降性逆転層」!

(b)問題文

(b) 気温の鉛直分布のみから対流圏界面を推定すると,80hPa付近は対流圏界面の可 能性がある。しかし風向・風速はその上下で目立った変化がないことから,圏界面 とはしない。

下線部の内容は「間違い」です。

はれの
はれの

「圏界面」の定義は、「高さ」と「温度変化」なのです!

圏界面の定義
  • 500hPa面以上の高さ。
  • 2km以内の面間で、平均気温減率がすべて2.0℃/kmを超えない部分の一番下の面が圏界面(第1圏界面)。

※圏界面は「第〇圏界面」と、いくつもある。→気象庁【圏界面】

つまり、圏界面の条件は「500hPa」ってことと、温度変化にあるのであって、風速や風向は関係ない。

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

82ページ〜「GPSゾンデ観測での圏界面の観測」

(c)問題文

(c) 湿度の観測データは300hPa付近までしかない。これは,気温と湿度の分布の特徴 から,雷によって湿度センサーが故障したためと考えられる。

下線部の内容は「間違い」です。

ラジオゾンデは気温ー40℃以下(だいたい300hPa以下)では、正確な値を観測できないので、湿度を観測していません。

だから雷説は間違い。笑

a,b,c、全部間違いだったので、答えは④ですね。

イラスト図解よくわかる気象学 専門知識編

82ページ〜「GPSゾンデ観測での湿度の観測」

はれの
はれの
  • 逆転層と湿度の関係
  • 圏界面の定義
  • 湿度観測の限界高度

隅々まで勉強していれば解けるけど・・・ちょっと難易度高め!

問4:数値予報の運動方程式(水平方向)

「数値予報で用いられる水平方向の運動方程式気象庁のモデルにおける取り扱いについて」の問題です。

(a),(b),(c)の下線部が正しいことを書いてるかどうか?!

集中してやっていきましょうー!

水平方向の運動方程式

水平速度の時間変化
= (第1項)移流による変化
+ (第2項)コリオリ力による変化
+(第3項)気圧傾度力による変化
+ (第4項)物理過程による変化

(a)問題文

(a) 総観規模の現象に対しては,コリオリ力と気圧傾度力がつりあう地衡風平衡近似 がよい精度で成り立つことから,それらの現象を主な予測対象とする全球モデルで は,上式の右辺の第 2 項と第 3 項を計算していない。

(a)の下線部は間違い!

全球モデルでは、(第2項)コリオリ力による変化と(第3項)気圧傾度力による変化を計算してます!

はれの
はれの

気圧傾度力、重要。

「総観規模の現象に対しては,コリオリ力と気圧傾度力がつりあう地衡風平衡近似 がよい精度で成り立つ」とはいえ、それは理論上の話。

はれの
はれの

本当のところ、コリオリ力と気圧傾度力が完全に釣り合ってるから計算しなくてOKよ!な〜んてことはありません!!!

気象庁のPDFにも記載されてます。→「全球モデルの改良と展望

(b)問題文

スケールの小さい現象ではコリオリ力の効果は小さいことから,それらの現象を 主な予測対象とする局地モデルでは,上式の右辺の第 2 項を計算していない。

(b)の下線部は間違い!

局地モデルで「コリオリ力による変化」を計算してないだと?!

局地予報と言っても、格子点の間隔2kmですからね!

表現するのは格子点間隔の5倍の10kmくらいですからね!

コリオリ力を無視できるはずもありません〜

(c)問題文

地表面付近における乱流の効果などの,格子間隔より小さいスケールの現象の効果は,上式の右辺の第 4 項の中で計算されている。

(c)の下線部は〇!

第4項っていうのは「物理過程による変化」のこと。

物理過程による変化」ってなんのことかというと・・・

はれの
はれの

格子点間隔よりも小さな現象の効果のこと。

だからそう言ってるじゃないか!ってことで、〇ですね。(о´∀`о)

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問5:数値予報モデルの特性について!

数値予報モデルについて、〇Xで答える問題です!

サクサクいっちゃいましょ〜

(a)問題文

(a)全球モデルメソモデルの降水予測結果が異なるとき,その要因は,水平格子間隔 の違いによる地形性降水の違いや,データ同化に用いられる観測データの違いによる ものであり,積雲対流過程などの物理過程の違いが要因となる割合は非常に小さい。

(a)は間違い!

積雲対流過程などの物理過程の違いも「パラメタリゼーション」として見積もられているので

はれの
はれの

降水予測結果が異なる場合の要因として、「割合は非常に小さい」ってことはない!

だから間違いです。

(b)問題文

(b) メソモデルでは,領域外の情報を得るために全球モデルの予測結果を使っているため, 全球モデルに予測誤差がある場合,メソモデルの予測はその誤差の影響を受ける。

(b)は〇!

その通りでございます〜

メソモデルは全球モデルの予測結果を使ってる!

だから全球モデルの予測が外れちゃうと、メソモデルも影響を受けちゃう。

(c)問題文

(c) 全球モデルでは静力学平衡の近似を用いていることから,鉛直 p 速度は水平方向 の運動方程式と連続の式を用いて求めている。

(c)は〇!

鉛直 p 速度は気圧の時間変化率のことで

  • 水平方向 の運動方程式
  • 連続の式(質量保存の式)

を使って計算します。

▼問6以降は次のページをご覧ください。

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