学科専門~過去問私的解説&ヒント~第52回気象予報士試験

問9:サービス問題!ダウンバーストの基本+α

問題文

ダウンバーストにより家屋や樹木の倒壊などの災害がもたらされる。その被害地域 は多くの場合,(a)円形や楕円形となる特徴がある。ダウンバーストにより吹き出した 風が水平方向に広がる範囲は,(b)最大で約 1km に達する。

積乱雲内で形成された降水粒子の荷重に加えて,その蒸発や融解に伴う大気の冷却 により,ダウンバーストを引き起こす下降気流が強化される。特に,積乱雲の雲底が 高く,(c)雲底の下の大気が湿っているほど,下降気流が強くなり,ダウンバーストの 発生に好都合となる。

(a)円形や楕円形となる〜は〇!

これはどの参考書にもかいてあるレベルのことなんですが・・・

ダウンバーストは、冷たい空気が上から下に落ちてきて、横に広がる(バーストする)現象なので、基本的に円形から楕円形の被害があるって、納得ですよね。

(b)最大で約 1km〜は間違い!

ダウンバーストにより吹き出した 風が水平方向に広がる範囲は、数百m〜数十kmくらいです。

(c)雲底の下の大気が湿っている〜は間違い!

積乱雲の下の空気って、乾燥している方が

下降する空気塊の水蒸気が蒸発
水蒸気の蒸発で空気塊の温度が下がる
空気塊の温度が下がったことで下降気流が強まる

という風に、下降気流が強まるんです。

だから「ダウンバーストの発生に好都合」なのは、「下層の空気が乾燥している時」です。

はれの
はれの

ちなみに下層の空気が湿っていると、雹が降るなど、別の被害が心配なのです〜

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