学科一般~過去問私的解説&ヒント~第57回気象予報士試験

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3:大気の熱力学~条件付き不安定~

問題文

気温減率が一定で条件付き不安定の状態にある地上から高度1.5kmまでの大気について述べた次の文章の空欄(a), (b)に入る不等式と語句の組み合わせとして適切なものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし、乾燥断熱減率は10℃/km、湿潤断熱減率は5℃/kmとする。

この大気において、高度500mで気温が20℃とすると、高度1.5kmにおける気温Tの範囲は(a)である。また、高度500mの空気塊の持ち上げ凝結高度が高度1kmとすると、この高度500mの空気塊を温度が0.5℃降下するまで断熱的に持ち上げたとき、空気塊は(b)。

全員正解(①)

気温減率が一定で、かつ、条件付き不安定の状態の大気において、高度500mで20℃。

じゃあ高度1.5kmでは?というのが(a)で問われていること。

なんだけど!

条件付き不安定の条件は、大気成層の気温減率が湿潤断熱減率より大きく、乾燥断熱減率より小さいということを意味するので(→用語集「条件付き不安定」)、不等号「≦」ではだめなんです。

「 10℃ < T < 15℃ 」だったらOK。

だからこの問題は、全員正解となったのでした。

(b)は「下降し始める」のか「上昇を続ける」のかを考える問題ですね。

500mの空気塊の持ち上げ凝結高度は1km。

ということは1kmまでは、乾燥断熱減率に従って気温が下がりますよね。

乾燥断熱減率は – 10℃/km だから、気温が0.5℃降下するのは断熱的に 550m まで上昇させたときです。

そして持ち上げてあげなくても空気塊が上昇していく高度は「自由対流高度」といって、「持ち上げ凝結高度」よりも高いわけで。

特に計算する必要もなく、この場合の空気塊は「下降し始める」ですね。

結論、正解はないですが、あえて選ぶなら①

ここに書いてあるよ
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