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問3:大気の熱力学~条件付き不安定~
気温減率が一定で条件付き不安定の状態にある地上から高度1.5kmまでの大気について述べた次の文章の空欄(a), (b)に入る不等式と語句の組み合わせとして適切なものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし、乾燥断熱減率は10℃/km、湿潤断熱減率は5℃/kmとする。
この大気において、高度500mで気温が20℃とすると、高度1.5kmにおける気温Tの範囲は(a)である。また、高度500mの空気塊の持ち上げ凝結高度が高度1kmとすると、この高度500mの空気塊を温度が0.5℃降下するまで断熱的に持ち上げたとき、空気塊は(b)。
全員正解(①)
気温減率が一定で、かつ、条件付き不安定の状態の大気において、高度500mで20℃。
じゃあ高度1.5kmでは?というのが(a)で問われていること。
なんだけど!
条件付き不安定の条件は、大気成層の気温減率が湿潤断熱減率より大きく、乾燥断熱減率より小さいということを意味するので(→用語集「条件付き不安定」)、不等号「≦」ではだめなんです。
「 10℃ < T < 15℃ 」だったらOK。
だからこの問題は、全員正解となったのでした。
(b)は「下降し始める」のか「上昇を続ける」のかを考える問題ですね。
500mの空気塊の持ち上げ凝結高度は1km。
ということは1kmまでは、乾燥断熱減率に従って気温が下がりますよね。
乾燥断熱減率は – 10℃/km だから、気温が0.5℃降下するのは断熱的に 550m まで上昇させたときです。
そして持ち上げてあげなくても空気塊が上昇していく高度は「自由対流高度」といって、「持ち上げ凝結高度」よりも高いわけで。
特に計算する必要もなく、この場合の空気塊は「下降し始める」ですね。
結論、正解はないですが、あえて選ぶなら①