学科一般~過去問私的解説&ヒント~第59回気象予報士試験・問3

3:気温と混合比と気圧

問題文

地点A、B、Cにおける地上(高度0m)から高度1000mまでの気層の気温の平均値がそれぞれ TATBTC、混合比がそれぞれqA、qB、qCであり、また、TA<TB=TCかつ qA=qB<qC となっている。各地点の地上気圧が等しいとき、地点A、B、Cにおける高度1000mの気圧PA、PB、PCの大小関係として正しいものを下記の①〜⑤の中から1つ選べ。ただし、いずれの地点でも大気は静力学的平衡の状態にあり、重力加速度は一定とする。

① PA<PB<PC

はれの
はれの

「大気は静力学的平衡の状態にあり、重力加速度は一定」ということは、ややこしいことはなしで単純に考えてねってことですね。

ではまず、A、B、Cの気柱を想像します。

気圧はその上にある空気の重さのことですよね。

問題文に「各地点の地上気圧が等しい」とあるので、各地点の上にある空気の重さは等しいわけです。

でも地上から高度1000mまでの空気の重さに差があれば、高度1000mにおける気圧も各地点で違いがあることになります。

ということは、地上から高度1000mまでの気柱A、B、Cの重さを比べれば答えは出るはず。

わかっていることは・・・

  • qA = qB → 混合比は等しい。
  • TA < TB → 気柱Aより気柱Bの方が気温が高い。

ということは、地上高度1000mまでの空気は、気柱Aより気柱Bの方が軽いことがわかります。

地上での気圧は同じなので、高度1000mでの気圧は「 PA < PB 」ということがわかりました。

次に気柱BとCを比較します。

  • TB = TC → 気温は等しい。
  • qB < qC → 気柱Bより気柱Cの方が混合比が大きい。

気温が等しく、混合比に差があるとは、どのような空気なのか、想像しましょう。

混合比は湿った空気中の乾燥空気1kgあたりの水蒸気量(g)のことですが・・・

空気というものは、水蒸気が増えれば軽くなるのです。

イメージ図↓

混合比は単位容積あたりの水蒸気密度と乾燥空気密度の比なので、気温が等しいのに混合比が大きいということは、気柱Cの方が水蒸気量が多いということです。

そして気柱Cは、相対的に、水蒸気が多い分だけ乾燥空気の割合が少ないことになります。

混合気体としてイメージする方がわかりやすいかな。

乾燥空気の分子量(1モルあたりの質量)は約29(窒素:酸素=4:1)にプラスして、分子量18の水蒸気も混合気体の仲間として考えてみましょう。

地上では気柱BもCも気圧は等しいし高度1000mまで気温も等しいので、混合比が相対的に大きい気柱Cは、気柱Bより乾燥空気の量が少なくなるんです。

はれの
はれの

ということは、分子量の小さな水蒸気が多い分、気柱Cの重さは軽くなります。

その結果、高度1000mにおける気圧は、気柱BよりCの方が大きくなるので「 PB < PC 」。

よって、答えは①の「 PA < PB < PC

はれの
はれの

アボガドロの法則とか、復習しておくといいね。

ここに書いてあるよ

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