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問 2:SNSで話題になったレーダーに現れた輪
図は2月のある日に、福井県にある気象庁の気象レーダー(福井レーダー)で観測した レーダーエコーである。この図について述べた次の文章の下線部(a)~(d)の正誤の組み 合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1 つ選べ。
上空では雪片だった降水粒子が、落下して周囲の気温が0℃となる高度を通過すると、 融けて雨滴になる。
雪片が融けて雨滴になる途中の状態は、(a)雨滴よりも粒が大きく、 固体(雪)の表面が液体で覆われている状態で、いわゆる「みぞれ」である。
降水粒子は、 粒が小さいものより大きいものの方が、また、(b)液体の状態であるよりは固体である方が、気象レーダーの電波をよく反射する、という性質がある。
図は、雪片が融解し て雨滴に変わる「融解層」によって、局所的に環状の強いエコーが観測されたもので、(c)「エンゼルエコー」と呼ばれている。
気象レーダーの観測はアンテナを一定の仰角 で回転させて行われており、図のような環状のエコーが観測されたということは、(d)融解層がほぼ一定の高度で水平方向に広がっていたことを示している。
③ (a)正,(b)誤,(c)誤,(d)正
受験した方、「これは・・・」って思ったかな?
この問題は、SNSで話題になった気象レーダーに現れた輪のことですよね。
用語集の方でもチラッと説明してます▶︎用語集「ブライトバンド」
では問題文に移ります。
上空では雪片だった降水粒子が、落下して周囲の気温が0℃となる高度を通過すると、 融けて雨滴になる。雪片が融けて雨滴になる途中の状態は、(a)雨滴よりも粒が大きく、 固体(雪)の表面が液体で覆われている状態で、いわゆる「みぞれ」である。
その通り、(a)は正しいですね。
では次。
降水粒子は、 粒が小さいものより大きいものの方が、また、(b)液体の状態であるよりは固体である 方が、気象レーダーの電波をよく反射する、という性質がある。
気象レーダーは、固体より液体の方が、降水粒子が小さいものより大きなものの方が、電波をより反射します。→(b)は誤り。
液体 > 固体
大粒 > 小粒
だから“みぞれ”の部分で強いエコーとなってしまうんですね。
続きます。
図は、雪片が融解し て雨滴に変わる「融解層」によって、局所的に環状の強いエコーが観測されたもので、(c)「エンゼルエコー」と呼ばれている。
「エンゼルエコー」じゃなくて、「ブライトバンド」ですね。
輪っかなので「エンゼルエコー」と言われれば、引っかかってしまいそうですが…
「エンゼルエコー」は晴天の時のエコーです。
次。
気象レーダーの観測はアンテナを一定の仰角で回転させて行われており、図のような環状のエコーが観測されたということは、(d)融解層がほぼ一定の高度で水平方向に広がっていたことを示している。
(d)はその通り。
ブライトバンドは層状の雲からみぞれが降ってきた時に見られます。
対流雲ではないです。
だから「ほぼ一定の高度で水平方向に広がって」は正しいのです。
イラスト図解 よくわかる気象学【専門知識編】p 168 〜
らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト<学科専門知識編> p 168 〜
【オンスク.JP】 「気象予報士講座 専門知識講座」第 5 章
【晴野が解いてみた】第60回の気象予報士試験の学科試験「予報業務に関する一般知識」はこちら
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