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令和 5 年 8 月の第 60 回気象予報士試験の学科専門知識の問題を、
あなたが次に似たような問題を解く時、「ヒント」となるような内容を目指してます!!!
この記事は、令和 5 年 8 月の第 60 回気象予報士試験の学科・専門知識の問題と解答を持っている人向けの内容です。
※私個人の試験問題を解く時の思考例です。(気象業務支援センターとは関係ございません。)
問 1:水蒸気量・相対湿度を求める
異なる3 つの観測点A、B、C で観測した湿度等の測定結果について述べた⽂(a)〜(c) の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1 つ選べ。ただし、測定時の気圧はすべて1013.25hPa とし、飽和⽔蒸気圧は表1 を⽤い、アスマン通⾵乾湿計による湿度は表2 を⽤いて求めよ。
地点A: 電気式湿度計の測定結果が70%、気温が20℃。
地点B: 露点計の測定結果が15℃、気温が25℃。
地点C: アスマン通⾵乾湿計の湿球温度が15℃、乾球温度が20℃。
(a) ⼤気に含まれる単位体積あたりの⽔蒸気量が最も少ないのは、地点C である。
(b) ⼤気に含まれる単位体積あたりの⽔蒸気量が最も多いのは、地点A である。
(c) ⼤気の相対湿度が最も低いのは、地点B である。
② (a)正,(b)誤,(c)正
地点A,B,C(全ての地点で気圧は1013.25hPa)の水蒸気量を比べるために、各地点の水蒸気圧と湿度を求めます。
与えられた情報で、ざっと計算していきますよー
地点Aは気温20℃で、湿度計が70%。
表1より、20℃の飽和水蒸気圧が23.4hPaなので、この70%として計算すると、地点Aの水蒸気圧は16.38hPa。
地点Bは気温25℃で、露点温度15℃。
15℃で飽和したとして、表1より、飽和水蒸気圧は17.1hPa。
地点Cは気温20℃で、湿球温度が15℃。→差は5℃。
表2より、湿度59%。
表1より、20℃の飽和水蒸気圧が23.4hPaなので、この59%として計算すると、地点Cの水蒸気圧は13.806hPa。
地点 | 気温 | 湿度 | 水蒸気圧 |
---|---|---|---|
A | 20℃ | 70% | 16.38hPa |
B | 25℃ | 53% | 17.1hPa |
C | 20℃ | 59% | 13.806hPa |
問題文には「水蒸気量が最も少ないのは〜」と書かれていますが、水蒸気量=水蒸気圧だと思ってOKだと思います。
なので、水蒸気量が最も少ないのは地点Cという(a)は正しい。
(a)と同じく水蒸気量=水蒸気圧として考えると、最も水蒸気量が多いのは地点B。
だから(b)の「⼤気に含まれる単位体積あたりの⽔蒸気量が最も多いのは、地点A である。」は誤り。
相対湿度は水蒸気圧(水蒸気量)を飽和水蒸気圧(飽和水蒸気量)で割って100をかけた値です。
とはいえ、今は与えられた情報だけで計算していきます。
電気式湿度計は、おそらく相対湿度の値が出るのでしょうし、地点Aの説明文の中の「湿度」が「相対湿度」のことなのか「絶対湿度」のことなのか、考えなくてもいいかなと思います。
そこで計算した結果、上記の表に示した通りです。
というわけで、相対湿度が最も低いのは地点Bなので、(c)は正しい!
「一般気象学(第2版)」 p 58 〜
【晴野が解いてみた】第60回の気象予報士試験の学科試験「予報業務に関する一般知識」はこちら
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