学科一般~過去問私的解説&ヒント~第58回気象予報士試験・問5

5:放射における雲や水蒸気などの効果

問題文

放射における雲や水蒸気などの効果について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)地球大気の上端に入射した太陽放射エネルギーは、雲、エーロゾル、大気による散乱と反射、及び地表面での反射により、 約3割が宇宙空間に戻る。

(b)気温の高度分布が同じであれば、大気中に水蒸気が多く存在するほど、大気から地表面に到達する長波放射は少ない。

(c)全天を覆う雲がある場合、それが上層雲でも、下層雲でも地表の放射冷却は同程度に抑えられる。

② (a)正, (b)誤, (c)誤

(a)アルベド

地球のプラネタリーアルベドは約30%なので・・・

(a)の「地球大気の上端に入射した太陽放射エネルギーは、雲、エーロゾル、大気による散乱と反射、及び地表面での反射により、 約3割が宇宙空間に戻る。」は正しい!

ここに書いてあるよ

(b)大気放射

大気中の水蒸気量が多いときは、大気放射量が黒体放射に近づきます。
(長波放射です。)

この大気放射量は、水蒸気量が多い方が多くなります。

だから(b)の「気温の高度分布が同じであれば、大気中に水蒸気が多く存在するほど、大気から地表面に到達する長波放射は少ない。」は誤り。

はれの
はれの

気象衛星の水蒸気画像は、対流圏上部の長波放射量から水蒸気の量を測定してますね。

水蒸気が多い=長波放射が多い→水蒸気画像でより白くなる

ここに書いてあるよ

(c)放射冷却

放射冷却の効果は、覆っている雲の高度によって変わります。
(雲が低いほど放射冷却が抑えられます。)

はれの
はれの

下層の雲の方が温度は高いので、赤外放射量が多いしね。

だから(c)の「全天を覆う雲がある場合、それが上層雲でも、下層雲でも地表の放射冷却は同程度に抑えられる。」は誤り。

【晴野が解いてみた】第58回の気象予報士試験の学科試験「予報業務に関する専門知識」はこちら
↓ ↓ ↓

その他の過去問を解いてみた記事はこちらからどうぞ
↓ ↓ ↓

隙間時間を有効活用できるミニテストはこちら
↓ ↓ ↓