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問4:氷粒子の成長
雲中における氷粒子の成長について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)氷晶が雪の結晶に成長するとき、柱状と板状のどちらの形状の結晶になるかは、空気の過飽和度によって決まる。
(b)雪結晶どうしが衝突したとき、温度が低いほど付着して雪片となりやすい。
(c)あられは、水滴と氷粒子が共存している過冷却雲内で、昇華により氷粒子が急成長して形成される。
(d)ひょうは、積乱雲の内部に多数の過冷却水滴があり、強い上昇流が存在するときに、雲の中に保持されながら成長する。
⑤ (a)誤, (b)誤, (c)誤, (d)正
氷晶が柱状と板状、どちらになるかは気温と空気の過飽和度に影響されます。
過飽和度だけではないんですね。
だから(a)の「氷晶が雪の結晶に成長するとき、柱状と板状のどちらの形状の結晶になるかは、空気の過飽和度によって決まる。」は誤り。
「一般気象学(第2版)」 p 96
雪結晶どうしが衝突して大きな雪片となる過程は、凝集過程と言うんですが・・・氷粒子どうしが衝突して互いに付着する割合は、互いの形によります。
枝状の雪結晶が衝突すると、付着しやすいのは想像できますよね。
さらに気温が比較的高い方が、付着しやすいです。(雪結晶の表面が融けていれば更に付着しやすい。)
よって、(b)の「雪結晶どうしが衝突したとき、温度が低いほど付着して雪片となりやすい。」は誤り。
雲粒が凍結し、氷粒子の質量が増加すると、その落下速度も大きくなる。
そしてますます多くの雲粒を補足してあられとなる。(ライミング)
昇華じゃないので(c)の「あられは、水滴と氷粒子が共存している過冷却雲内で、昇華により氷粒子が急成長して形成される。」は誤り。
「あられ」がさらに成長したものが「ひょう」なので・・・
強い上昇流により、あられが地上に落ちて来るまでの時間が長くなり、大きく成長します。
そしてあられが成長し、直径5mmを超すと「ひょう」とよびます。
だから(d)の「ひょうは、積乱雲の内部に多数の過冷却水滴があり、強い上昇流が存在するときに、雲の中に保持されながら成長する。」は正しい。
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