学科専門~過去問私的解説&考察~第61回気象予報士試験・問11

11:海陸風

日本における海陸風について述べた次の文(a)~(d)の正誤について、下記の①~⑤の中から正しいものを1つ選べ。

(a)風の弱い晴れた日に発生する海陸風循環は、海面上と陸面上の気温の高低が昼夜で逆転することにより、1日周期の変化が卓越する。

(b)一般に、海風は陸風に比べて風の吹く層の厚さが厚く、風速も大きい。

(c)一般に、明瞭な海風循環は冬季より夏季の方が出現しやすい。

(d)晴天日の日中に内陸部に向かって吹く海風は、大気下層で水平収束をもたらし、雷雨などの不安定性降水を発生させる要因となることがある。

① (a)のみ誤り

② (b)のみ誤り

③ (c)のみ誤り

④ (d)のみ誤り

⑤  すべて正しい

⑤  すべて正しい

(a)海陸風の周期

(a)の「風の弱い晴れた日に発生する海陸風循環は、海面上と陸面上の気温の高低が昼夜で逆転することにより、1日周期の変化が卓越する。」はその通り。

海陸風は日射によって発生するので、1日周期になるんですね。

(b)層の厚さ

(b)の「一般に、海風は陸風に比べて風の吹く層の厚さが厚く、風速も大きい。」はその通り。

海風は層の厚さがおよそ100m 〜 1kmくらいありますが、陸風はおよそ100mくらいの厚さで風速も弱いです。

(c)出現しやすい季節

(c)の「一般に、明瞭な海風循環は冬季より夏季の方が出現しやすい。」はその通り。

海上と陸上の気温差で発生する海陸風は、温度差の大きくなる夏季の方が出現しやすいです。

(d)降水の要因

(d)の「晴天日の日中に内陸部に向かって吹く海風は、大気下層で水平収束をもたらし、雷雨などの不安定性降水を発生させる要因となることがある。」はその通り。

扇状地だけではなく、平地でも海風による収束は起こるし、その収束により対流雲が発達して雷雨となることはあります。

特に関東平野では、海風による収束にも色々なパターンがあるでしょうね。

その他の過去問を解いてみた記事はこちらからどうぞ
↓ ↓ ↓