学科専門~過去問私的解説&考察~第61回気象予報士試験・問6

6:ガイダンス

気象庁で作成しているガイダンスについて述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)風ガイダンスは、過去の数値予報(説明変数)と実況(目的変数)から統計的に作成した予測式を用いて補正するガイダンスであり、数値予報モデルの地形と実際の地形の違い等に起因する風向・風速の予測誤差を低減している。

(b)視程ガイダンスのように、数値予報では直接予測しない気象要素を目的変数の定義などに基づいて決めた予測式を用いて診断的に算出するガイダンスでは、一般に、数値予報モデルの予測特性が変わるとガイダンスによる予測結果の予測特性も変化する。

(c)メソアンサンプル予報の各メンバーから作成した気温ガイダンスは、単独のメソモデルから作成した気温ガイダンスと同じ手法で作成されており、そのアンサンプル平均は、一般に、単独のメソモデルから作成した気温ガイダンスより予測精度が低い。

② (a)正,(b)正,(c)誤

(a)風ガイダンス

下線部は、要するに「系統的誤差を低減している」ってことですね。

ガイダンスでは統計処理をすることによって、系統誤差を補正しています。

よって(a)「風ガイダンスは、過去の数値予報(説明変数)と実況(目的変数)から統計的に作成した予測式を用いて補正するガイダンスであり、数値予報モデルの地形と実際の地形の違い等に起因する風向・風速の予測誤差を低減している。」は正しい。

(b)視程ガイダンス

視程ガイダンスは数値予報モデルの結果が直接的に予測に反映されます。

なので、数値予報モデルが変更されると、ガイダンスの予測特性が変化すると考えるべきですよね。

よって(b)の「視程ガイダンスのように、数値予報では直接予測しない気象要素を目的変数の定義などに基づいて決めた予測式を用いて診断的に算出するガイダンスでは、一般に、数値予報モデルの予測特性が変わるとガイダンスによる予測結果の予測特性も変化する。」は正しい!

(c)気温ガイダンス

メソアンサンブル予報の気温ガイダンスはMSM気温ガイダンスと比べて精度の良い予報ができて、大きく外れにくいという良さがあります。

だから「メソアンサンプル予報の各メンバーから作成した気温ガイダンスは、単独のメソモデルから作成した気温ガイダンスと同じ手法で作成されており、そのアンサンプル平均は、一般に、単独のメソモデルから作成した気温ガイダンスより予測精度が低い。」は逆ですね。

よって(c)は誤り。

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