学科一般~過去問私的解説&ヒント~第57回気象予報士試験

10:ダウンバースト

問題文

ダウンバーストについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)ダウンバーストは成長期の積乱雲から発生することが多い。

(b)積乱雲の中で形成された氷粒子は、落下する際に周囲の空気を引きずり下降流を発生させる。このとき、氷粒子が落下しながら融解すると周囲の空気を冷却して下降流を強める。

(c)積乱雲の雲底下が乾燥していると、落下してきた雨粒は蒸発して空気を引きずり下ろす下向きの力が弱くなるため、ダウンバーストは発生しにくい。

④ (a)誤, (b)正, (c)誤

(a)積乱雲の成熟期

成熟期になった積乱雲の中では、成長した降水粒子を上昇気流で支えきれなくなり、落下します。

ダウンバーストとなる下降流が発生するとき、積乱雲は成熟期を迎えています。

成長期の積乱雲では、下降流は発生しません。

だから(a)の「ダウンバーストは成長期の積乱雲から発生することが多い。」は誤り!

はれの
はれの

成長期の積乱雲の中は、全て上昇流です。

(b)周囲の空気を引きずる&冷却

(b)の「積乱雲の中で形成された氷粒子は、落下する際に周囲の空気を引きずり下降流を発生させる。このとき、氷粒子が落下しながら融解すると周囲の空気を冷却して下降流を強める。」は、その通り、正しい!

(c)蒸発=周囲の空気を冷やす

落下してきた雨粒が蒸発する場合、周囲のエネルギーを使うことになるので、気温は下がると想像できますよね。

すると空気は重くなり、下向きの力が強くなるはず・・・

だから(c)の「積乱雲の雲底下が乾燥していると、落下してきた雨粒は蒸発して空気を引きずり下ろす下向きの力が弱くなるため、ダウンバーストは発生しにくい。」は誤り!

はれの
はれの

氷粒子の融解と雨粒の蒸発は、エネルギーの方向的に同じですよね。

ここに書いてあるよ

11:地球温暖化の現在の状況

問題文

地球温暖化の現在の状況について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)最近のおよそ100年間の地上気温の変化傾向を見ると、世界の気温上昇の割合は海上より陸上の方が大きく、陸上のうちでは北半球の高緯度地域で大きい

(b)最近のおよそ50年間に大気中の温室効果ガス濃度の増加にともなって地球全体で増加した熱エネルギーの約9割は海洋に蓄積されていると見積もられている。

(c)地球温暖化に伴う世界平均の海面水位の上昇は、海水温の上昇と北極海の海氷の融解による海水の体積の増加が主な原因であると考えられている。

② (a)正, (b)正, (c)誤

(a)世界の平均気温

気象庁の「世界の平均気温」についてのページにより、次のことがわかります。

  • 1891 ~ 2021 年において、気温上昇は世界全体で起きている。
  • 気温上昇は一様ではなく、海上より陸上の方が大きい。(海水の蒸発のため)
  • 特に北半球の高緯度ほど気温上昇の割合が大きい。

だから(a)の「最近のおよそ100年間の地上気温の変化傾向を見ると、世界の気温上昇の割合は海上より陸上の方が大きく、陸上のうちでは北半球の高緯度地域で大きい。」は正しい!

(b)海はエネルギーを吸収してくれる

気象庁の「地球温暖化と海洋」のページによると、1971年からの40年間についての話ですが、地球全体で蓄積された熱エネルギーの9割以上が海洋に吸収されているとあります。

だから(b)の「最近のおよそ50年間に大気中の温室効果ガス濃度の増加にともなって地球全体で増加した熱エネルギーの約9割は海洋に蓄積されていると見積もられている。」は正しい・・・で良いのでしょうね。

(c)海面水位上昇の原因

気象庁の「海面水位」についてのページに、海面水位上昇の原因について、次のことが述べられています。

  • 水温の上昇に伴う海水の膨張
  • 山岳氷河,南極,グリーンランドの氷床の融解

ちなみに海氷が溶けても、海面の水位にはほとんど影響はないと言われています。

水の体積が一番小さいのは4℃であり、氷は水より体積が大きいってことが理由ですね。

だから(c)の「地球温暖化に伴う世界平均の海面水位の上昇は、海水温の上昇と北極海の海氷の融解による海水の体積の増加が主な原因であると考えられている。」は誤り!

はれの
はれの

北極の海氷が融けてシロクマが困ってるって画像が有名なので、惑わされちゃいますね。

ここに書いてあるよ

12:気象の予報業務の許可を受けている事業者

問題文

気象の予報業務の許可を受けている事業者が行わなければならない行為について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)現象の予想の方法を変更したときには、遅滞なくその旨を記載した報告書を気象庁長官に提出し、認可を申請しなければならない。

(b)許可を受けた区域とは別の区域を対象に予報業務を行おうとする場合は、変更しようとする30日前までに気象庁長官に届け出なければならない。

(c)気象庁の警報事項を受ける方法に変更が生じたときは、その旨を記載した報告書を気象庁長官に提出しなければならない。

(d)許可を受けて実施している予報業務の一部を休止しようとする場合は、休止しようとする30日前までに気象庁長官に届け出なければならない。

⑤ (a)誤, (b)誤, (c)正, (d)誤

(a)現象の予想の方法を変更

現象の予想の方法を変更したときは、遅滞なくその旨を記載した報告書を、気象庁長官に提出しなければなりません。(気象業務法施行規則 第八章 雑則(報告)第五十条第一項第六号)

だから(a)の「現象の予想の方法を変更したときには、遅滞なくその旨を記載した報告書を気象庁長官に提出し、認可を申請しなければならない。」は誤り!

(b)予報区域の変更

予報区域の変更の場合、改めて気象庁長官の認可を受けなければならないので、認可の申請が必要です。(気象業務法 第十七条第二項)

だから(b)の「許可を受けた区域とは別の区域を対象に予報業務を行おうとする場合は、変更しようとする30日前までに気象庁長官に届け出なければならない。」は誤り!

(c)警報事項の受け取り方法を変更

警報事項の受け取り方法を変更する場合、遅滞なくその旨を記載した報告書を、気象庁長官に提出しなければなりません。(気象業務法施行規則 第八章 雑則(報告)第五十条第一項第六号)

だから(c)の「気象庁の警報事項を受ける方法に変更が生じたときは、その旨を記載した報告書を気象庁長官に提出しなければならない。」は正しい!

(d)予報業務の一部を休止

予報業務の一部を休止する場合、「その日から三十日以内」に、その旨を気象庁長官に届け出なければなりません。(気象業務法 第二十二条)

「30日前」という条件ではないんです。

(予報業務休止(廃止)届出書を長官に提出しなければなりません。)

だから(d)許可を受けて実施している予報業務の一部を休止しようとする場合は、休止しようとする30日前までに気象庁長官に届け出なければならない。」は誤り!

▼問13以降は次のページをご覧ください。

1 2 3 4 5