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問4:大気の熱力学
大気中の温度や水蒸気圧などについて述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし、大気では静力学平衡が成り立っているものとする。
(a)空気塊が内部に含まれる水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するとき、凝結熱による加熱で温位と相当温位はともに上昇する。
(b)空気塊が内部に含まれる水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するとき、空気塊の高度1kmあたりの気温の低下率は、上空ほど小さい。
(c)飽和水蒸気圧は、同じ温度であれば気圧に比例し、気圧の低い上空ほど値が小さい。
(d)乾燥空気塊が断熱的に下降するとき、空気塊の高度1kmあたりの温度の上昇率は、気圧によらない。
⑤ (a)誤, (b)誤, (c)誤, (d)正
そもそも相当温位は「空気塊の含んでいる水蒸気を全て凝結させ、その潜熱を足した温位」のことをいうので、一定です。(→用語集「相当温位」)
だから(a)の「空気塊が内部に含まれる水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するとき、凝結熱による加熱で温位と相当温位はともに上昇する。」は誤り!
空気塊は水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するということなので、湿潤断熱減率に沿って気温は下がっていきますよね。
エマグラムで湿潤断熱線を見ると、直線ではなくややカーブした曲線です。
しかも気温減率が上空ほど大きくなる方に曲がってます。
だから(b)の「空気塊が内部に含まれる水蒸気を凝結させながら断熱的に上昇するとき、空気塊の高度1kmあたりの気温の低下率は、上空ほど小さい。」は誤り!
飽和水蒸気圧は、温度のみに依存します。
だから(c)の「飽和水蒸気圧は、同じ温度であれば気圧に比例し、気圧の低い上空ほど値が小さい。」は誤り!
乾燥空気塊を断熱的に下降させる場合、乾燥断熱線に沿って空気塊の気温は上昇する・・・ってだけの話で、気圧は関係ないですね。
だから(d)の「乾燥空気塊が断熱的に下降するとき、空気塊の高度1kmあたりの温度の上昇率は、気圧によらない。」は正しい!