学科専門~過去問私的解説&ヒント~第56回気象予報士試験

問13:指定河川洪水予報

問題文

気象庁が国土交通省や都道府県と共同で行っている、河川を指定した洪水予報(指定河川洪水予報)について述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)指定河川洪水予報を行っている河川は、国土交通大臣が管理する河川であり、洪水によって国民経済上重大な損害が生ずるおそれのある河川が対象となっている。

(b)地震や大雨により、堤防等が被害を受けて機能が低下している場合は、指定河川洪水予報の発表基準を暫定的に引き下げて運用することがある。

(c)指定河川洪水予報行っている河川は、気象庁が発表する洪水警報、注意報の対象に含まれている。

④ (a)誤,(b)正,(c)

指定河川洪水予報行っている河川とは、「国や都道府県が管理する河川のうち、流域面積が大きく、洪水により大きな損害を生ずる河川」のことです。

だから(a)の「指定河川洪水予報を行っている河川は、国土交通大臣が管理する河川であり、洪水によって国民経済上重大な損害が生ずるおそれのある河川が対象となっている。」はそれっぽく聞こえるけど誤り。

平成23年(2011年)に、「東北地方太平洋沖地震に伴う洪水警報及び浸水害を対象とする大雨警報等の発表基準の暫定的な運用について」が発表されました。

その概要は「地震によって堤防等が被害を受けて機能が低下している場合もあるから、指定河川洪水予報の発表基準を暫定的に引き下げて運用します。」というものだったので・・・

(b)の「地震や大雨により、堤防等が被害を受けて機能が低下している場合は、指定河川洪水予報の発表基準を暫定的に引き下げて運用することがある。」は正しい。

(c)の「指定河川洪水予報行っている河川は、気象庁が発表する洪水警報、注意報の対象に含まれている。」は、その通りなので正しいです。

そして気象庁では、指定河川洪水予報の対象外の河川についても「洪水警報・注意報」及び「洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)」を発表しています。

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問14:予報精度

問題文

図は、A地点とB地点における冬季の30日間の最高気温と最低気温について、実況と予報の分布を示したものである。この図について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。ただし、見逃し率および空振り率は全予報数に対する割合とする。

(a)最低気温の予報について、系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると、正の偏りがあるのはA地点である。

(b)最高気温の予報について、二乗平均平方根誤差(RMSE)により予報誤差を求めると、B時点の方が予報精度が良い。

(c)冬日の予報の見逃し率は、A地点の方がB時点よりも低い。

(d)真冬日の予報の空振り率は、A地点の方がB地点よりも低い。

② (a)正,(b)正,(c)誤,(d)誤

ここで言う「系統的な偏り」っていうのは、「毎回同じように発生する偏り」のことだと思うので、(a)の「最低気温の予報について、系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると、正の偏りがあるのはA地点である。」は正しいですね。

二乗平均平方根誤差(RMSE)は、予報と実況の乖離が大きいほど値も大きくなり、予報精度が低いと言えます。

反対に、予報と実況の乖離が小さいほど二乗平均平方根誤差(RMSE)の値は小さくなり、精度が良い予報と言えるので・・・

(b)の「最高気温の予報について、二乗平均平方根誤差(RMSE)により予報誤差を求めると、B時点の方が予報精度が良い。」は正しいですね。

「冬日」というのは、「日最低気温が0℃未満の日」のことです。

そして「冬日の見逃し率」は、予報では0℃ 以上だったのに実況で0℃ 未満だった日のことなので、この部分↓

上の赤い部分を比べてみると、見逃し率はB地点では全くないですね。

だから(c)の「冬日の予報の見逃し率は、A地点の方がB時点よりも低い。」は誤り。

「真冬日」というのは、「日最高気温が0℃未満の日」のことです。

そして「真冬日の空振り率」は、予報で0℃ 未満だったのに実況では0℃ 以上だった日のことなので、この部分↓

上の赤い部分を比べてみると、空振り率はB地点では全くないですね。

だから(d)の「真冬日の予報の空振り率は、A地点の方がB地点よりも低い。」は誤り。

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問15:500hPa平年偏差と日本の天候

問題文

図 A, B, C は異なる年の1月の月平均500ヘクトパスカルコードと平年偏差である。これらの図における大規模な大気循環と日本の天候の関係について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)図Aでは、極域が正偏差で極渦が弱く、東アジアから北西大西洋にかけての中緯度ではほとんど不偏差となっている。このような偏差パターンは負の北極振動と呼ばれ、これが卓越するときは、日本付近では低温となりやすい。

(b)図Bでは、ヨーロッパに負偏差、東経90度付近に正偏差、極東域に負偏差と、ユーラシア大陸を中心とする領域に、偏差パターンが見られる。このような偏差パターンは正のユーラシアパターンと呼ばれ、これが卓越するときは、日本付近では高温となりやすい。

(c)図Cでは、日本付近で亜熱帯ジェット気流が平年より北側に偏って流れている。このようなパターンが卓越するときは、降水量(雪を含む)が日本海側で多くなりやすく、太平洋側で少なくなりやすい。

③ (a)正,(b)誤,(c)誤

北極振動は、テレコネクションの一つで、北極域と中緯度域のあいだが逆符号となるほぼ同心円状の偏差パターンで、日本の天候を左右する要因の一つと考えられています。

北極振動どうなる?
  • 北極域が平年より高いとき、中緯度域で平年より低くなる。
  • 北極域が平年より低いとき、中緯度域で平年より高くなる。

だから(a)の「図Aでは、日本付近では低温となりやすい。」は正しいです。

図Bを見たら日本付近が負偏差なんで、普通に気温が低くなると思いますが・・・ユーラシアパターンについてちょっと書きますと・・・。

ユーラシア(EU)パターンは、冬の日本の天候に影響を与えるテレコネクションパターンの一つ。

ユーラシアパターン

ヨーロッパと東アジアで負偏差

西シベリアで は正偏差

日本付近で偏西風が南に蛇行

寒気の流れ込み

日本付近で低温&大雪

だから(b)の図Bは、日本付近では高温となりやすい。」は誤りです。

図Cを見たら日本付近が正偏差なんで、普通に気温が高くなるって答えでいいように思いますが・・・亜熱帯ジェット気流からも考えてみましょう。

亜熱帯ジェット気流の北偏

日本付近で亜熱帯ジェット気流が北側へ偏って流れる。

偏西風も北偏する。

日本では北日本を中心に暖冬になりやすい。

西高東低の気圧配置になり難い。

日本海側で雪を含む降水量が少なくなる傾向。

だから(c)の「図Cでは、降水量(雪を含む)が日本海側で多くなりやすく、太平洋側で少なくなりやすい。」は誤りです。

さいごに

「予報業務に関する一般知識」に続きまして、私・ 晴野 はれの の第56回の気象予報士試験の学科試験「予報業務に関する専門知識」を解答する場合の考え方を紹介しました。

試験の内容も、気象業務支援センターに一報入れて、書かせてもらってます。
※解説内容は気象業務支援センターとは関係ありません。晴野独自のものです。

こんな考え方もあるのか〜と、あなたの参考になれば嬉しいです。

またこの記事の内容は、どの機関のチェックも受けておりません。

ですから、もしかしたら間違っている可能性もあります。

「ここおかしいよ!」と思う箇所があれば、遠慮せずに「お問い合わせ」からご連絡いただけましたら、ありがたく修正させていただきます。m(*_ _)m

はれの
はれの

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます(о´∀`о)♡

次は実技の方を解いてみようかな〜♪

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