学科専門~過去問私的解説&ヒント~第56回気象予報士試験

問14:予報精度

問題文

図は、A地点とB地点における冬季の30日間の最高気温と最低気温について、実況と予報の分布を示したものである。この図について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。ただし、見逃し率および空振り率は全予報数に対する割合とする。

(a)最低気温の予報について、系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると、正の偏りがあるのはA地点である。

(b)最高気温の予報について、二乗平均平方根誤差(RMSE)により予報誤差を求めると、B時点の方が予報精度が良い。

(c)冬日の予報の見逃し率は、A地点の方がB時点よりも低い。

(d)真冬日の予報の空振り率は、A地点の方がB地点よりも低い。

② (a)正,(b)正,(c)誤,(d)誤

ここで言う「系統的な偏り」っていうのは「毎回同じように発生する偏り」のことであり、「予報の誤差が正になるというのは「予報値が実況値より大きい」ことをあらわしますよね。

だから(a)の「最低気温の予報について、系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると、正の偏りがあるのはA地点である。」は正しいですね。

二乗平均平方根誤差(RMSE)は、予報と実況の乖離が大きいほど値も大きくなり、予報精度が低いと言えます。

反対に、予報と実況の乖離が小さいほど二乗平均平方根誤差(RMSE)の値は小さくなり、精度が良い予報と言えるので・・・

(b)の「最高気温の予報について、二乗平均平方根誤差(RMSE)により予報誤差を求めると、B時点の方が予報精度が良い。」は正しいですね。

「冬日」というのは、「日最低気温が0℃未満の日」のことです。

そして「冬日の見逃し率」は、予報では 0℃ 以上だったのに実況で 0℃ 未満だった日のことなので、この部分↓

上の赤い部分を比べてみると、見逃し率はB地点では全くないですね。

だから(c)の「冬日の予報の見逃し率は、A地点の方がB地点よりも低い。」は誤り。

「真冬日」というのは、「日最高気温が0℃未満の日」のことです。

そして「真冬日の空振り率」は、予報で 0℃ 未満だったのに実況では 0℃ 以上だった日のことなので、この部分↓

上の赤い部分を比べてみると、空振り率はB地点では全くないですね。

だから(d)の「真冬日の予報の空振り率は、A地点の方がB地点よりも低い。」は誤り。

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