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問3:力学・熱力学への理解
大気の法則や関係式の組み合わせに関する次の文章の空欄(a),(b)に入る語句の組み 合わせとして適切なものを,下記の1〜5の中から 1 つ選べ。
力学や熱力学の法則や関係式を組み合わせることにより,気象に関する物理量の重 要な関係を導くことができる。たとえば,熱力学第一法則と静力学平衡の式などを組 み合わせることによって (a) を導くことができる。また,温度風の関係は,地衡風平衡と (b) を組み合わせることにより導くことができる。
① (a)乾燥断熱減率, (b)静力学平衡の式
まずはおさらい!
(a)の選択肢にあるワードの意味はこれ↓
- 乾燥断熱減率←乾燥空気が断熱的に上昇した場合の気温減率のこと。
- 大気の状態方程式←気体の状態方程式のこと。
- 連続の式←水平発散(収束)と鉛直収束(発散)が連続していることを表す式のこと。
次に問題文にある「熱力学第一法則」と「静力学平衡の式」についておさらい〜
ΔQ = ΔW + ΔU
- ΔQ:加えた熱量
- ΔW:外部に対する仕事(体積変化)= αΔp
- ΔU:内部エネルギー(温度変化)= CpΔГ
加えた熱量は「内部エネルギーの増加」と「外部に対する仕事」に使われます。
ΔP = ーρgΔZ
- ΔP:気圧差(Pa)
- ρ:密度(kg/m3)
- g:重力加速度(9.8m/s2)
- ΔZ:高度差(m)
「鉛直方向の気圧傾度」と「大気の重さ」の2つのバランスを表す鉛直方向の関係式です。
この熱力学の第一法則の式の右辺に静水圧平衡(静力学平衡)の式を代入して、ΔQをゼロにすれば、乾燥断熱減率Гdを求められるっていう・・・
この深い深いお話は「一般気象学」でもやや端折られて書かれているので、深追い不要と認識してます!
↑要するに私の脳みそでは限界越してます。
難しくてわかんねーよ!って方も
- 熱力学の第一法則(熱とエネルギーのこと)
- 静力学平衡の式(鉛直方向の力のこと)
と考えると「答えは乾燥断熱減率だろーなー」ってわかるんじゃないでしょうか。( ˊᵕˋ ; )
「一般気象学(第2版)」 p53
「温度風の関係」とは、水平温度傾度と地衡風の関係のことで
「空気に水平方向の温度差がある場合、地衡風が高度と共に強く変化すること」をいいいます。
そして温度風の関係は,地衡風平衡と 静力学平衡の式を組み合わせることにより導くことができます。
つまり、静力学平衡の式から鉛直方向のことを理解し
地衡風平衡の式から水平方向のことを理解できるわけです。
「温度風の関係」について、詳しくは用語解説ページへ▶︎▶︎▶︎「温度風の関係」
「一般気象学(第2版)」 p145