学科一般~過去問私的解説&ヒント~第55回気象予報士試験

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問3:力学・熱力学への理解

問題文

大気の法則や関係式の組み合わせに関する次の文章の空欄(a),(b)に入る語句の組み 合わせとして適切なものを,下記の1〜5の中から 1 つ選べ。

力学や熱力学の法則や関係式を組み合わせることにより,気象に関する物理量の重 要な関係を導くことができる。たとえば,熱力学第一法則と静力学平衡の式などを組 み合わせることによって (a) を導くことができる。また,温度風の関係は,地衡風平衡と (b) を組み合わせることにより導くことができる。

① (a)乾燥断熱減率, (b)静力学平衡の式

(a)乾燥断熱減率ってどうやって求める?

まずはおさらい!

(a)の選択肢にあるワードの意味はこれ↓

  • 乾燥断熱減率←乾燥空気が断熱的に上昇した場合の気温減率のこと。
  • 大気の状態方程式←気体の状態方程式のこと。
  • 連続の式←水平発散(収束)と鉛直収束(発散)が連続していることを表す式のこと。

次に問題文にある「熱力学第一法則」と「静力学平衡の式」についておさらい〜

熱力学の第一法則

ΔQ = ΔW + ΔU

  • ΔQ:加えた熱量
  • ΔW:外部に対する仕事(体積変化)= αΔp
  • ΔU:内部エネルギー(温度変化)= CpΔГ

加えた熱量は「内部エネルギーの増加」と「外部に対する仕事」に使われます。

静力学平衡の式(静水圧平衡の式)

ΔP = ーρgΔZ

  • ΔP:気圧差(Pa)
  • ρ:密度(kg/m3
  • g:重力加速度(9.8m/s2
  • ΔZ:高度差(m)

「鉛直方向の気圧傾度」と「大気の重さ」の2つのバランスを表す鉛直方向の関係式です。

この熱力学の第一法則の式の右辺に静水圧平衡(静力学平衡)の式を代入して、ΔQをゼロにすれば、乾燥断熱減率Гdを求められるっていう・・・

はれの
はれの

この深い深いお話は「一般気象学」でもやや端折られて書かれているので、深追い不要と認識してます!

↑要するに私の脳みそでは限界越してます。

難しくてわかんねーよ!って方も

  • 熱力学の第一法則(熱とエネルギーのこと)
  • 静力学平衡の式(鉛直方向の力のこと)

と考えると「答えは乾燥断熱減率だろーなー」ってわかるんじゃないでしょうか。( ˊᵕˋ ; )

ここに書いてあるよ

(b)温度風の関係を導くのは?

「温度風の関係」とは、水平温度傾度と地衡風の関係のことで

「空気に水平方向の温度差がある場合、地衡風が高度と共に強く変化すること」をいいいます。

そして温度風の関係は,地衡風平衡静力学平衡の式を組み合わせることにより導くことができます。

つまり、静力学平衡の式から鉛直方向のことを理解し

地衡風平衡の式から水平方向のことを理解できるわけです。

「温度風の関係」について、詳しくは用語解説ページへ▶︎▶︎▶︎「温度風の関係」

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