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問7:風ベクトル
図は北半球の同じ緯度にある地点 A,地点 B,地点 C それぞれの 850hPa と 700hPa の高度の風について,横軸 u を東⻄方向の東向き成分,縦軸 v を南北方向の北向き成分 としてベクトルで示したものである。
この図について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組 み合わせとして正しいものを,下記の1〜5の中から 1 つ選べ。
ただし,風は地衡風と し,850hPa から 700hPa にかけての風向の変化は 180°以内とする。
(a) 地点Aでは,850hPaで地点B,Cに比べ最も水平気圧傾度力が大きい。
(b) 地点 B では,850hPa と 700hPa の間の平均気温は水平移流により上昇傾向にある。
(c) 地点Cでは,850hPaから700hPaにかけて寒気移流場である。
(d) 地点A〜Cのうち,850hPaと700hPaの間の平均気温の水平傾度が最も大きいの は地点 A である。
③ (a)正, (b)誤, (c)正, (c)誤
850hPa面の地点Aでは、B,Cに比べてベクトルの矢印が大きいですよね。
矢印の長さは風速の強さ(大きさ)を表してます。
風が強いってことは、水平気圧傾度力も大きいってことなので・・・
(a)の「 地点Aでは,850hPaで地点B,Cに比べ最も水平気圧傾度力が大きい。」は正しい!
地点Bでは上空に向かって、風向のベクトルが反時計回りに変化しているので、寒気移流ですよね。
寒気移流=平均気温は水平移流により下降傾向
だから(b)の「 地点 B では,850hPa と 700hPa の間の平均気温は水平移流により上昇傾向にある。」は誤り!
▶︎▶︎▶︎用語解説「温度風」
上空に向かって風向のベクトルが順転(逆転)に変化してれば、暖気移流(寒気移流です。
風向のベクトル | 温度移流 |
---|---|
上空に向かって順転(時計回り) | 暖気移流 |
上空に向かって逆転(反時計回り) | 寒気移流 |
だから(c)の「 地点Cでは,850hPaから700hPaにかけて寒気移流場である。」は正しい!
平均気温の水平傾度の比較方法は、温度風のベクトルの大きさでできます。
温度風のベクトルが大きいってことは、その空気の層で水平温度傾度が大きいわけだからね。
だから(d)の「 地点A〜Cのうち,850hPaと700hPaの間の平均気温の水平傾度が最も大きいの は地点 A である。」は誤り!
最も水平傾度が大きいのは地点 C ですね。
「一般気象学(第2版)」 p146