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問8:大気の熱輸送
図は,年平均した大気による熱の北向き輸送量の緯度分布を示したものである。
この 図について述べた次の文章の空欄(a)〜(e)に入る語句や記号の組み合わせとして正しい ものを,下記の1〜5の中から 1 つ選べ。
大気による顕熱輸送はほぼ極向きであり,高緯度ではその輸送量は極に近づくほど 小さくなっている。つまり高緯度の大気を (a) していることがわかる。図のB,Cの 緯度付近を極大・極小とする大気による顕熱輸送は,主に (b) によって担われ,A, D の緯度付近を極大・極小とする大気による顕熱輸送は,主に (c) によって担われて いる。一方,大気による潜熱輸送をみると,図の (d) 付近では蒸発した水蒸気が南北 両方向へ輸送され,図の (e) 付近では水蒸気が収束している。
① (a)加熱, (b)ハドレー循環, (c)傾圧不安定波, (d)PとR, (e)Q
年平均した大気の熱輸送の緯度分布を、北向きで示した図を見ながら答えます。
選択肢を見ると「加熱」または「冷却」。
問題文は「高緯度の大気を〜」なので、大気の熱輸送で高緯度の大気を冷却しているわけもなく、「加熱」に決まってるよね!
図のB,Cを見ると、次のことがわかります。
- 北半球低緯度で1回目の北向き熱輸送のピーク
- 南半球低緯度で1回目の南向き熱輸送のピーク
低緯度にみられる極向きの熱輸送といえば!
ハドレー循環ですね!
おまけ
ウォーカー循環 | 赤道付近の対流圏に存在する、大規模な東西方向の循環 |
傾圧不安定波 | 偏西風帯の波動 |
「一般気象学(第2版)」 p171, 254, 187, 287
「イラスト図解 よくわかる気象学(第2版)」p291, 312
(b)でハドレー循環を選んでるので、(c)は消去法で「傾圧不安定波」しかないんですが・・・
極循環よりやや低緯度(緯度50°くらいがピーク)では、主に波動による熱輸送により、高緯度側へ熱が運ばれます。
「主に波動による熱輸送」が「傾圧不安定波」のことです。
「温帯低気圧が南北の温度差を低減させてくれてる」=「傾圧不安定はによって〜」って覚えればOK!
「一般気象学(第2版)」 p191
問題文に「(d) 付近では蒸発した水蒸気が南北両方向へ輸送され…」とあるので
破線が「北半球は北方向・南半球は南方向」に潜熱の輸送が始まるところを答えます。
PとRですね!
問題文より「(e) 付近では水蒸気が収束している。」なので・・・
輸送方向から考えてみると簡単♪
南向きの潜熱輸送と北向きの線熱輸送に挟まれているところ↓
収束しているのはQですね!