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問7:解析雨量について
解析雨量について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。
(a)解析雨量は、気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせ、降水量分布を1km四方の細かさで解析したもので、面的に雨量を推定できる気象レーダーと、正確な雨量を観測できる雨量計の両方の長所を活かしたものである。
(b)海上の解析雨量は、陸上の雨量計から得られた情報を用いて気象レーダーの観測データを補正しているため、陸上よりも一般に誤差が大きい。
(c)解析雨量は実測値ではないことから、土壌雨量指数や表面雨量指数の算出の際の入力データとしては利用されない。
(d)解析雨量には、30分ごとに1時間雨量を算出するものと、10分ごとに1時間雨量を算出する速報版がある。後者は前者より、利用する雨量計データの数が少ないため精度は若干低いが、更新頻度が高く、観測から提供まで要する時間が短い。
答えは・・・②! (a)(b)(d)が正しくて(c)が誤り!
では個別に「正しい」「誤り」の根拠をお伝えします!
解析雨量は、「面的に雨量を推定できる気象レーダー」と「正確な雨量を観測できる雨量計」の両方の長所を活かしたものである。
はいまったくその通り!
だから(a)の「解析雨量は、気象レーダーと雨量計の観測データを組み合わせ、降水量分布を1km四方の細かさで解析したもので、面的に雨量を推定できる気象レーダーと、正確な雨量を観測できる雨量計の両方の長所を活かしたものである。」の下線部は正しい!
海上では、陸上のような実際の雨量を観測するって難しいですよね。
だから陸上の「レーダーのデータを実際の雨量で補正」と同じことを「実際の雨量の値」がないけど補正してます。
するとどうしても、陸上の解析雨量より誤差は大きくなります。
というわけで(b)の「海上の解析雨量は、陸上の雨量計から得られた情報を用いて気象レーダーの観測データを補正しているため、陸上よりも一般に誤差が大きい。」の下線部は正しい!
解析雨量は、土壌雨量指数、表面雨量指数、流域雨量指数の算出や、これらを用いた大雨・洪水警報の危険度分布を求めるためにも利用されます。▶︎気象庁
だから(c)の「解析雨量は実測値ではないことから、土壌雨量指数や表面雨量指数の算出の際の入力データとしては利用されない。」の下線部は誤り!
解析雨量には以下のものがあります。
- 10分ごとに1時間雨量を算出→速報版解析雨量図
- 30分ごとに1時間雨量を算出→解析雨量図
速報版解析雨量は算出処理の所要時間を短縮しているので、雨量の算出に利用できる雨量計の数に制限があります。
だから算出処理の所要時間がより長くより多くの雨量計を用いて雨量を解析している速報版じゃない「解析雨量」の方が精度が高くなります。
というわけで(d)の「解析雨量には、30分ごとに1時間雨量を算出するものと、10分ごとに1時間雨量を算出する速報版がある。後者は前者より、利用する雨量計データの数が少ないため精度は若干低いが、更新頻度が高く、観測から提供まで要する時間が短い。」の下線部は正しい!
参考資料 ▶︎速報版解析雨量・速報版降水短時間予報
190ページ〜