学科専門~過去問私的解説&ヒント~第54回気象予報士試験

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12:集中豪雨

問題文

日本付近の集中豪雨について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)集中豪雨は、狭い地域に短時間に大量の雨が降る現象であり、その水平スケールは数kmから10km程度である。

(b)集中豪雨時の大気下層では、下層ジェットと呼ばれる強風が観測されることがある。

(c)集中豪雨時には、下層への暖湿気塊の流入により、下層から中層に及ぶ厚い層で、絶対不安定な成層状態が長時間維持される。

(d)集中豪雨は、ほとんどの場合、スーパーセルと呼ばれる1つの巨大な積乱雲が発生し、停滞することによって起こっている。

答えは・・・④! (b)だけ正しい!(a)(c)(d)は誤り!

はれの
はれの

集中豪雨の問題は、高頻度なのでしっかり覚えましょう!

(a)集中豪雨の水平スケール

集中豪雨とは、「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨のこと」ですが、スケールの指定はないです。

だから(a)の「集中豪雨は、狭い地域に短時間に大量の雨が降る現象であり、その水平スケールは数kmから10km程度である。」は誤り!

(b)集中豪雨と下層ジェットは仲良し

下層ジェットは、大気下層の700hPa〜850hPa付近に出現する狭い範囲で吹く強風域のことです。

この下層ジェットがよく現れるのは、梅雨の大雨の時など。

だから(b)の「集中豪雨時の大気下層では、下層ジェットと呼ばれる強風が観測されることがある。」は正しい!

(c)絶対不安定な成層状態

「絶対不安定な成層状態」って、長時間維持できないんですよ。

積乱雲が発生して、絶対不安定な状態を解消しようとしますから。

だから(c)の「集中豪雨時には、下層への暖湿気塊の流入により、下層から中層に及ぶ厚い層で、絶対不安定な成層状態が長時間維持される。」は誤り!

(d)スーパーセルとマルチセル

集中豪雨はスーパーセルでも起きますが、組織的に次々に積乱雲が生まれるマルチセルの場合も多いです。

だから(d)の「集中豪雨は、ほとんどの場合、スーパーセルと呼ばれる1つの巨大な積乱雲が発生し、停滞することによって起こっている」は誤り!

イラスト図解よくわかる気象学【第2版】の何ページに書いてある?

338ページ〜

一般知識を学ぶ方の本が参考になります。

参考になる情報 ▶︎豪雨のメカニズム

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