学科専門~過去問私的解説&ヒント~第57回気象予報士試験

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問2:推計気象分布

問題文

気象庁が発表している推計気象分布は、観測データ等により天気,気温,日照時間のきめ細かな分布を算出して視覚的に把握しやすくした情報で、アメダスなどの観測所のない場所の状況も把握できる。推計気象分布について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)推計気象分布では、天気,気温,日照時間の分布が、1kmメッシュの細かさで発表され、1時間毎に更新されている。

(b)推計気象分布では、観測所を含むメッシュの値は、そこでの観測データとは必ずしも一致しない。

(c)天気の推計気象分布は、気象衛星ひまわりによる雲の観測データから晴れかくもりかを判定し、解析雨量を用いて降水の有無を判断している。

(d)気温の推計気象分布は、アメダスなどの気温を用いているが、標高による気温の違いは考慮されていない。

① (a)正,(b)正,(c)正,(d)誤

推計気象分布は2016年(平成28年)3月15日から開始されたサービスです。

(a)解像度と更新頻度

推計気象分布で予報される項目は次の通り。

  • 天気 5 種類(晴れ、くもり、雨、雨または雪、雪)
  • 気温 0.5 ℃毎
  • 日照時間 0.2 時間(12分)毎

解像度は1km四方のメッシュ

更新頻度は1時間毎

だから(a)の「推計気象分布では、天気,気温,日照時間の分布が、1kmメッシュの細かさで発表され、1時間毎に更新されている。」は正しい!

(b)観測所の値

気象庁の推計気象分布の解説ページによると、「観測所を含むメッシュの値は、そこでの観測データとは必ずしも一致しません。」と、そのまんまの文章で書かれています。

特定の地点を対象としているわけではなく、当該メッシュの平均値なんです。

だから(b)の「推計気象分布では、観測所を含むメッシュの値は、そこでの観測データとは必ずしも一致しない。」は正しい!

(c)気象衛星と解析雨量の利用

推計気象分布は晴れか曇りかの判定を、気象衛星ひまわりの雲の観測データから行っています。

降水の有無は、解析雨量を利用して判断します。

だから(c)の「天気の推計気象分布は、気象衛星ひまわりによる雲の観測データから晴れかくもりかを判定し、解析雨量を用いて降水の有無を判断している。」は正しい!

(d)標高による気温の違い

推計気象分布は、アメダスの気温観測値などを用いています。

そして標高による気温の違いも考慮されています。

だから(d)の「気温の推計気象分布は、アメダスなどの気温を用いているが、標高による気温の違いは考慮されていない。」は誤り!

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