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問3:気象レーダー
気象庁が行っている気象レーダー観測およびそのデータの利用について述べた次の文(a)〜(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a)気象レーダーの発する電波は大気の屈折率の分布状態に応じて曲げられ、通常の伝搬経路から大きく外れることがあり、降水の全くないところに強いエコーが現れる場合がある。
(b)山岳や地表の構造物などに電波が当たって反射され、降水のないところに強いエコーが現れることがあるが、地形のように動かないものが原因のグランドクラッタについては、降水エコーと区別して取り除く処理が行われている。
(c)気象レーダーで降水エコーが観測されていても、降水粒子が落下途中で蒸発して地上まで到達せず、直下の地上では降水が観測されないことがある。
(d)気象レーダーでは、電波が発射されてから反射されて戻ってくるまでの経路上に強い降水がある場合、その場所で電波が減衰してしまい、それより遠方では実際の降水よりも弱く観測されることがある。
① (a)のみ誤り
② (b)のみ誤り
③ (c)のみ誤り
④ (d)のみ誤り
⑤ すべて正しい
⑤ すべて正しい
問題文に登場する「異常伝搬(通常の経路から大きく外れる伝搬)」では、送信電波が曲げられて山やビルなどに当たって反射することを指します。
そして降水がないのに強いエコーが現れる場合があるのです。
だから(a)の「気象レーダーの発する電波は大気の屈折率の分布状態に応じて曲げられ、通常の伝搬経路から大きく外れることがあり、降水の全くないところに強いエコーが現れる場合がある。」は正しい!
グランドクラッタは、電波が山岳や地形によって散乱されるグランドエコーのことですよね。
これらは動かないものが原因のエコーなので、降水エコーと区別でき、取り除けます。
だから(b)の「山岳や地表の構造物などに電波が当たって反射され、降水のないところに強いエコーが現れることがあるが、地形のように動かないものが原因のグランドクラッタについては、降水エコーと区別して取り除く処理が行われている。」は正しい!
ただし、大型の風車の羽・風で揺れる樹木・スキー場のリフトなどの動くものが原因の場合、完全に取り除くことは難しい場合があります。
レーダーの電波は下方にずれながら進みますが、地表面の曲率の方が大きいので、後方ほど観測される高度は高くなります。
だから(c)の「気象レーダーで降水エコーが観測されていても、降水粒子が落下途中で蒸発して地上まで到達せず、直下の地上では降水が観測されないことがある。」は正しい!
前方にも後方にも降水域があった場合、しかも前方の降水が強かったら、前方の降水域でレーダーの電波が多く反射されるわけで・・・。
ということは、後方の降水域まで届く電波は少なくなるわけで・・・。
だから(d)の「気象レーダーでは、電波が発射されてから反射されて戻ってくるまでの経路上に強い降水がある場合、その場所で電波が減衰してしまい、それより遠方では実際の降水よりも弱く観測されることがある。」は正しい!
イラスト図解 よくわかる気象学【専門知識編】p 167 〜
らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト<学科専門知識編> p 167 〜