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問12:高解像度降水ナウキャスト
気象庁の高解像度降水ナウキャストについて述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。なお、高解像度降水ナウキャストは気象庁ホームページの「雨雲の動き」のページで提供されている。
(a)高解像度化と速報性を両立するために、60分先までの予測期間のうち前半30分は、陸上と海岸近くの海上では250mの解像度により降水を予測し、その他の海上では1kmの解像度により降水を予測している。
(b)降水域の内部を立体的に解析するために、気象ドップラーレーダーの観測データや雨量計のデータを利用しているが、ウィンドプロファイラやラジオゾンデの高層観測データは利用していない。
(c)3次元的に降水分布を追跡する手法や、気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算する手法を導入している。
② (a)正,(b)誤,(c)正
高解像度降水ナウキャストは、解像度は以下のようになっています。
- 陸上・海岸近くの海上→250m解像度
- その他の海上→1km解像度
ただし250m解像度の予測期間は、30分までです。
だから(a)の「高解像度化と速報性を両立するために、60分先までの予測期間のうち前半30分は、陸上と海岸近くの海上では250mの解像度により降水を予測し、その他の海上では1kmの解像度により降水を予測している。」は正しい!
高解像度降水ナウキャストは、次のデータを活用しています。
- 気象ドップラーレーダーの観測データ
- 全国の雨量計のデータ(気象庁,国土交通省,地方自治体が保有)
- ウィンドプロファイラの観測データ
- ラジオゾンデの高層観測データ
- レーダ雨量計(国土交通省)のデータ
だから(b)の「降水域の内部を立体的に解析するために、気象ドップラーレーダーの観測データや雨量計のデータを利用しているが、ウィンドプロファイラやラジオゾンデの高層観測データは利用していない。」は誤り!
高解像度降水ナウキャストは、予測前半で降水を3次元で予測します。
- 降水ナウキャスト→降水を2次元で予測
- 高解像度降水ナウキャスト→降水を3次元で予測
予測後半にかけて徐々に「気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算し、対流予測モデルを使う予測」に移行します。
だから(c)の「3次元的に降水分布を追跡する手法や、気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算する手法を導入している。」は正しい!
高解像度降水ナウキャストは、2014年8月より運用されています。