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問4:大気現象のスケール(気象の予想の応用)
大気現象のスケールに着目して述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a)大気中には、様々な時間空間スケールを持った現象が存在しているが、一般的に現象の空間スケールと時間スケールとの間には、正の相関がある。
(b)準定常的な超長波(プラネタリー波)は、波長が1万km以上もある大気中で最大スケールの擾乱であり、チベット高原等の大規模な地形による力学的効果や大陸と海洋の分布による熱的効果により励起されたものである。
(c)ある地点で大雨時に観測される降水強度には、数分〜10分程度の時間スケールの変動がしばしば見られる。この変動の要因の一つとして、個々の積乱雲の発生・衰弱や移動がある。
(d)温帯低気圧のうち、梅雨前線上に発生する低気圧は相対的に水平スケールが小さく、対流圏上層においては明瞭な構造が見られないことが多い。
① (a)のみ誤り
② (b)のみ誤り
③ (c)のみ誤り
④ (d)のみ誤り
⑤ すべて正しい
⑤ すべて正しい
現象の空間スケールと時間スケールには、正の相関関係があります。
空間的に大きな現象は長く続くし、空間的に小さな現象は短時間しか続きません。
だから(a)の「大気中には、様々な時間空間スケールを持った現象が存在しているが、一般的に現象の空間スケールと時間スケールとの間には、正の相関がある。」は正しい!
プラネタリー波は対流圏の偏西風がチベット山塊・ロッキー山脈などにぶつかったり、大陸や海洋の熱的効果などで起きている現象です。
だから(b)の「準定常的な超長波(プラネタリー波)は、波長が1万km以上もある大気中で最大スケールの擾乱であり、チベット高原等の大規模な地形による力学的効果や大陸と海洋の分布による熱的効果により励起されたものである。」は正しい!
大雨の時って暖かく湿った空気が次々に流れ込んできて、積乱雲が発生し衰弱しても、またすぐ次の積乱雲が生まれて・・・というサイクルが繰り返されますよね。
だから(c)の「ある地点で大雨時に観測される降水強度には、数分〜10分程度の時間スケールの変動がしばしば見られる。この変動の要因の一つとして、個々の積乱雲の発生・衰弱や移動がある。」は正しい!
梅雨前線上に発生する低気圧は、総観規模の低気圧に比べてスケールが小さく「小低気圧」とも表現されます。
水平スケールはメソαスケールです。
この小低気圧は下層の循環を主としていて、対流圏上層では不明瞭な場合が多いです。
というわけで(d)の「温帯低気圧のうち、梅雨前線上に発生する低気圧は相対的に水平スケールが小さく、対流圏上層においては明瞭な構造が見られないことが多い。」は正しい!
第56回試験でもよく似た内容で出題されています。
絶対覚えておいてほしい内容です!!!