学科専門~過去問私的解説&ヒント~第58回気象予報士試験

問13:警報・注意報

問題文

気象庁が発表する警報・注意報等について述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)「記録的短時間大雨情報」は大雨警報の発表中に、その地域で数十年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨が観測、または解析されたときに発表される。

(b)大雨警報と洪水警報が発表されている二次細分区域において、降っていた雨がやみ、今後も降る見込みがないと予想された場合、大雨警報は速やかに解除されるが、洪水警報は河川水位が高い場合には継続されることがある。

(c)国土交通大臣又は都道府県知事と気象庁が共同で洪水予報を行っている河川については、気象庁が発表する洪水警報・注意報の対象に含まれない。

(d)都道府県知事と気象庁が共同で発表する土砂災害警戒情報は、短期降雨指標である60分間積算雨量と長期降雨指標である土壌雨量指数を組み合わせた基準を用いて発表される。

⑤ (a)誤, (b)誤, (c)誤, (d)正

(a)記録的短時間大雨情報

(a)の「記録的短時間大雨情報」は大雨警報の発表中に、その地域で数十年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨が観測、または解析されたときに発表される。」は、「数十年に一度」の部分が誤りですね。
正しくは「数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測したり、解析したりしたときに発表される。」です。

(b)警報解除の条件

(b)の「大雨警報と洪水警報が発表されている二次細分区域において、降っていた雨がやみ、今後も降る見込みがないと予想された場合、大雨警報は速やかに解除されるが、洪水警報は河川水位が高い場合には継続されることがある。」は、誤り。

大雨警報も洪水警報も、それぞれの地域の警報発表の基準値(表面雨量指数基準,流域雨量指数基準など)を上回る場合に発表されます。

そして、これらの基準を下回って、再び上回らないと判断したときに解除されます。

つまり「雨がやんだ。もう降る見込みがない」や「河川水位が高い・低い」という理由で解除が決まるわけではないのです。

(c)指定河川洪水予報

(c)の「国土交通大臣又は都道府県知事と気象庁が共同で洪水予報を行っている河川については、気象庁が発表する洪水警報・注意報の対象に含まれない。」は、誤り。

一般の方々への周知方法は下記の通り。

  • 自治体から
  • 報道機関から
  • 気象庁のホームページ(防災気象情報の指定河川洪水予報)から
はれの
はれの

気象庁が発表する洪水警報・注意報に含まれますね。

(d)土砂災害警戒情報

(d)の「都道府県知事と気象庁が共同で発表する土砂災害警戒情報は、短期降雨指標である60分間積算雨量と長期降雨指標である土壌雨量指数を組み合わせた基準を用いて発表される。」は、その通り。

土砂災害警戒情報の基準は、「土壌雨量指数」と「60分間積算雨量」の2指標の組み合わせを用いて設定されています。

そして「土壌雨量指数」は、降った雨が土壌にどれだけ貯まっているかを、雨量データから「タンクモデル」という手法を用いて指数化したもので、長期降雨指標です。

また「60分間積算雨量」は、60分前から現在までの雨量を積算したもので短期降雨指標です。

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問14:雨量指数

問題文

図(ア)〜(ウ)は、都市域を流れるA川流域内におけるある日の15時、16時、および17時の解析雨量の分布(1時間降水量:塗りつぶし域)を示している。また、図(a)〜(c)は、土壌雨量指数、表面雨量指数、流域雨量指数いずれかの時系列図である。図(ア)〜(ウ)の降

雨分布をもとに、地点X(黒丸)における土壌雨量指数および表面雨量指数、並びに、そこから10km下流の地点Y(黒丸)における流域雨量指数の時間変化を示す図(a)〜(c)の組み合わせとして適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。なお、図の範囲外では、その日に雨は降っていないものとする。

③ 地点Xにおける土壌雨量指数: (b)

地点Xにおける表面雨量指数:(a)

地点Yにおける流域雨量指数:(c)

はれの
はれの

まずは用語の理解から。

土壌雨量指数とは

降った雨が土壌にどれだけ貯まっているかを雨量データから、「タンクモデル」という手法を用いて指数化したもの。

私は「土壌に含まれた雨の多さ」だと理解しています。
「一旦多くなるとなかなか減少しない」というイメージもあります。

表面雨量指数とは

短時間強雨による浸水危険度の高まりを把握するための指標。 

私は「土壌に浸み込む前で、地表面に溜まっている雨の多さ」だと理解しています。
「降水の後すぐ増大して、一気に減少する」というイメージ。

流域雨量指数とは

上流域に降った雨によって、どれだけ下流の対象地点の洪水危険度が高まるかを把握するための河川ごとの指標です。

私は「対象地点(河川)の上流で降った雨による洪水の危険度」と理解しています。
「時間差で増大・減少する」というイメージ。

では本題。

各指標の特徴から、(b)は土壌雨量指数っぽいです。

(b)

(b)のピークの時間も16時半くらいで、地点Xでの降水の特徴とも一致します。

次に(a)と(c)のグラフを見比べると、それぞれピークの時間帯が16時過ぎ、17時半過ぎとなっています。

地点Xで1時間降水が多かったのは16時くらいなので、(a)が地点Xの表面雨量指数なのでしょう。

(a)

とすると、(c)が地点Yの流域雨量指数であっても矛盾はありません。

(c)
はれの
はれの

以上のことから、答えは③です。

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問15:アンサンブル予報

問題文

図は夏のモンスーン期(6~9月)におけるアジア域の対流圏上・下層の大気循環を200hPa(左)及び850hPa(右)の流線関数の平均値で表したものである。この図を参照し、アジア域における夏の大気循環について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。なお、風の回転成分(非発散成分)は、流線関数の大きい値を右側に見て等値線と平行に吹く。

(a)この時期、領域(ア)を中心に対流圏上層に大きな高気圧性循環が現れる。この循環はチベット高気圧と呼ばれ、チベット高原では夏でも積雪が残り周辺より低温のために出現する。

(b)領域(イ)では、海面水温が28℃を超えるとともに、対流圏では上・下層とも西よりの風が吹いており、水平風の鉛直シアーが弱いため、熱帯低気圧の発生・発達に適した環境となっている。

(c)領域(ウ)は海面水温が高く、下層ではモンスーンの南西風と太平洋高気圧の南縁を吹く偏東風の収束域となるため対流雲が盛んに発生する。この領域における対流活動は、日本の夏の天候に関係し、平年より活発なときは日本付近では高温になりやすい。

④ (a)誤, (b)誤, (c)正

(a)チベット高気圧

チベット高気圧は地面からの熱で形成される高気圧なので、(a)の「チベット高原では夏でも積雪が残り周辺より低温のために出現する。」は誤り。

(b)流線関数

水平風の鉛直シアーが弱いことは、熱帯低気圧の発生・発達に適しているのはその通りですが・・・

領域(イ)では、850hPa(対流圏で下層)で西風。200hPa(対流圏上層)で東風じゃないかな。

問題文に「風の回転成分(非発散成分)は、流線関数の大きい値を右側に見て等値線と平行に吹く。」とありますしね。

はれの
はれの

ちなみに北半球における流線係数は、正の値が右回りの流れで「高気圧性」です。

(c)PJパターン

夏のモンスーン期に領域(ウ)のフィリピン付近で対流活動が活発になると、日本の本州付近の高気圧が強まり、気温が高くなるというテレコネクションパターン(PJパターン)が見られます。(どのくらいの頻度かはわかりません。すみません。)

だから(c)の「この領域における対流活動は、日本の夏の天候に関係し、平年より活発なときは日本付近では高温になりやすい。」は正しい〜。

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さいごに

私・晴野はれのが第58回の気象予報士試験の学科試験「予報業務に関する専門知識」を解答する場合の考え方を紹介しました!

試験の内容も、気象業務支援センターに一報入れて、書かせてもらってます。
※解説内容は気象業務支援センターとは関係ありません。晴野独自のものです。

またこの記事の内容は、どの機関のチェックも受けておりません。

ですから、もしかしたら間違っている可能性もあります。

もし「ここおかしいよ!」と思う箇所があれば、遠慮せずに「お問い合わせ」からご連絡いただけましたら、ありがたく学ばせていただきます。m(*_ _)m

はれの
はれの

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます(о´∀`о)♡

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