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問5:大気の温室効果の原理
地球大気の温室効果の原理について述べた次の文章の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。ただし,以下の条件が満たされているものと仮定する。
- 太陽放射は大気層を完全に透過する。
- 地表面は黒体で全ての放射を完全に吸収する。
- 大気は地表面からの黒体放射を完全に吸収する。
- 大気の温度は一様であり,大気および地表面は放射平衡状態にある。
地球に大気がないときの,地表面が受け取る太陽放射量と放射平衡状態にある地表面温度を絶対温度 T0 とする。図のように大気がある時には,大気上端の放射収支から,大気の上向の長波放射量は (a)地表面が吸収する太陽放射量と等しい。一方,地表面の放射収支から,太陽放射量と大気の下向き長波放射量の和は地表面からの黒体放射量と等しい。また,黒体放射量は絶対温度の (b)4乗に比例する。これらより,大気の温度は(c)21/4 T0 となり,地表面温度は (d) T0 となる。
② (a)正, (b)正, (c)誤, (d)誤
情報を整理しよう。
大気がなかった場合、太陽放射が全て地表面に届く。
↓
地表面温度は「T0 」
↓
太陽放射強度は「σT04」
ですね。▶︎ステファン・ボルツマンの法則
次に・・・
大気の気温を Ta とし
地表面温度を Tg とすると
次の図のように考えられます。
σT04 = σTa4
σT04 + σTa4 = σTg4
以上のことから・・・
太陽放射量と大気の上向の長波放射量は釣り合うはずなので、 (a)の「地表面が吸収する太陽放射量と等しい。」は正しい!
また、ステファン・ボルツマンの法則より、黒体温度は黒体放射量は絶対温度の4乗に比例する ので (b)も正しいです。
Ta (大気の温度)を T0 で表すと、「Ta = T0 」になります。
だから(c)の「21/4 T0 」は誤り。
また、Tg (地表面の温度)を T0 で表すと、「Tg = 21/4 T0 」になります。
だから (d) の「T0 」は誤り。
「一般気象学(第2版)」 p121
「イラスト図解 よくわかる気象学(第2版)」p178 〜