学科一般~過去問私的解説&ヒント~第56回気象予報士試験

問11:エルニーニョ現象発生時の天候の特徴

問題文

エルニーニョ現象発生時の天候の特徴について述べた次の文章の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。

 エルニーニョ現象が発生しているときは,ペルーやコロンビアなどの南米北部では,平均気温が平年に比べて(a)低い傾向が,また,インドネシアやオーストラリア北部などの西部太平洋熱帯域では,降水量が平年に比べて(b)多い傾向がみられる。

 日本では,西日本の夏季(6~8月)において平均気温が平年に比べて(c)高い傾向が,東日本の冬季(12~2月)では,平均気温は平年に比べて(d)高い傾向がみられる。

⑤ (a)誤, (b)誤, (c)誤, (d)

エルニーニョ発生時のペルー,コロンビアなどの沿岸では海水温が平年より高くなっています。

だから気温も平年より高くなるってことで・・・(a)の「低い傾向」は間違い。

またエルニーニョが発生している時、大気の対流活動が活発になる地域が平年より東に移動する傾向があるとされています。

ということは、太平洋の西サイドにあるインドネシアやオーストラリア北部などの西部太平洋熱帯域では、降水量が平年に比べて少なくなる(傾向がある)ので、(b)の「多い傾向がみられる。」は誤り。

一方、エルニーニョ現象の日本付近への影響として、太平洋高気圧の張り出しが弱くなる傾向があります。

だから日本では、西日本の夏季(6~8月)において平均気温が平年に比べて低い傾向となります。

というわけで(c)の「高い傾向」は誤り。

さらに冬季、西高東低の気圧配置が弱まり、気温は平年より高めになる傾向があるので(d)の「高い傾向がみられる。」は正しい。

ここに書いてあるよ
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