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問 10:成層圏と中間圏
成層圏や中間圏の大気の特徴について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。
(a) 赤道付近の成層圏では、東風と西風が約2年周期で入れ替わる準二年周期振動が観測される。
(b) 北半球中高度の成層圏で、夏季に等高度線が北極付近を中心とする同心円状になるのは、対流圏で励起されたプラネタリー波が成層圏に伝播しなくなるためである。
(c) 一般的に、上部成層圏の気温の鉛直勾配は下部成層圏に比べて大きい。
(d) 成層圏と中間圏では、北半球の夏季の気温は北極付近で最も高くなる。
① (a)正,(b)正,(c)正,(d)誤
成層圏下部ではほぼ一年ごとに東風と西風が入れ替わっており、これを準二年周期振動といいます。
だから(a)の「 赤道付近の成層圏では、東風と西風が約2年周期で入れ替わる準二年周期振動が観測される。」は正しい。
夏は成層圏が東風のため、プラネタリー波は伝播できません。
だから夏季の成層圏の等圧線は、北極付近を中心とするきれいな同心円状となります。
よって(b)の「 北半球中高度の成層圏で、夏季に等高度線が北極付近を中心とする同心円状になるのは、対流圏で励起されたプラネタリー波が成層圏に伝播しなくなるためである。」は正しい。
成層圏の気温の鉛直勾配って読んで一瞬「?」となりましたが、要は「大気の鉛直構造」の章で見た気温のグラフを思い出せばいいんだと思います。
こういうグラフ↓
上図は以前使ったグラフなので、ABCDは気にしないでくださいね。
で、成層圏は下層では気温の鉛直勾配は緩やかで、上層では鉛直勾配が大きいです。
なので、(c)の「一般的に、上部成層圏の気温の鉛直勾配は下部成層圏に比べて大きい。」は正しい。
成層圏と中間圏あたりの気温について、有名な図が「一般気象学」251ページ、「イラスト図解 よくわかる気象学」370ページ、「オンスク 学科一般」の第9章のスライドを参考にしてください。
(他の本でも見れるかもしれません)
上記の図によると、夏季の極付近において、成層圏界面付近が最も気温が高くなります。
また中間圏では冬季の極付近の方が気温が高くなっています。
よって(d)の「成層圏と中間圏では、北半球の夏季の気温は北極付近で最も高くなる。」は誤り。
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