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問7:天気予報ガイダンスについて
気象庁が作成している天気予報ガイダンスについて述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正 誤について,下記の1〜5の中から正しいものを 1 つ選べ。
(a) 数値予報モデルでは,予報時間が⻑くなるにつれて予測値の系統誤差の傾向が変 化することがある。ガイダンスはそのような系統誤差を低減することができる。
(b) 数値予報モデルでは,海陸の区別が実際と一致していない格子点がある。ガイダ ンスは,海陸の区別の不一致に起因する予測値の誤差を低減することができる。
(c) 数値予報モデルが放射冷却による気温の低下を十分に予測できない場合は,気温 ガイダンスでもそのような予測誤差を低減することはできない。
(d) カルマンフィルターを用いた平均降水量ガイダンスは,数値予報モデルが予測し ていない大きな降水量が観測されると,それ以降のある期間にわたって降水量を実 際より多めに予測する傾向がある。
① (a)のみ誤り
② (b)のみ誤り
③ (c)のみ誤り
④ (d)のみ誤り
⑤ すべて正しい
③ (c)のみ誤り
天気予報ガイダンスは系統的誤差を減らしてくれます♪
だから(a) の「数値予報モデルでは,予報時間が⻑くなるにつれて予測値の系統誤差の傾向が変化することがある。ガイダンスはそのような系統誤差を低減することができる。」は正しい!
わけですが!
「系統的誤差」の意味がわかっていれば、即答できる問題です。
▶︎▶︎▶︎用語解説「系統的誤差」
これも「系統的誤差」に含まれるものだと思います!
だから(b)の 「数値予報モデルでは,海陸の区別が実際と一致していない格子点がある。ガイダ ンスは,海陸の区別の不一致に起因する予測値の誤差を低減することができる。」は正しい!
放射冷却による気温ガイダンスの誤差は、気圧配置などのパターンで起きる誤差なので、これまでランダム誤差として「現状では補正できてはいない」と2018年の「ガイダンスの解説」には書かれていました。
でも!
気圧配置等で層別化できれば誤差を軽減できるであろう。つまり、今までランダム誤差として扱っていた誤差を系統誤差として補正できることになる。
つまり、今までランダム誤差として扱っていた誤差を系統誤差として補正できることになる。
ガイダンスは数値予報が持つ様々な要因による誤差を、学習のサンプル数を保ちながら系統付けてその誤差を見積り、補正している。
引用:ガイダンスの解説
つまり、2018年以降は徐々に補正できているってことですな!
だから(c)の「 数値予報モデルが放射冷却による気温の低下を十分に予測できない場合は,気温 ガイダンスでもそのような予測誤差を低減することはできない。」は誤り!
平均降水量ガイダンスは線形の統計的関係式を用いるカルマンフィルター(KLM)という手法を使っています。
で、線形・非線形問わず、ガイダンスは過去データを使用する統計的関係式を使っているので、稀な現象を予想するのは苦手。
そして季節の変わり目などの急な場の変化には、キビキビ対応できなかったりとかあるんです。
例えば常時にはないような大雨を観測した場合、「そっか、実際の降水は今まで予想してた量より多いんだ!」と学習してしまうってことね。
そしてその後一定期間は、それ以前より多めに降水量を予想してしまうという結果に…( ˊᵕˋ ; )
だから(d)の 「カルマンフィルターを用いた平均降水量ガイダンスは,数値予報モデルが予測し ていない大きな降水量が観測されると,それ以降のある期間にわたって降水量を実際より多めに予測する傾向がある。」は正しい!
- ガイダンスの苦手なことは?
- 大雨・強風などの稀な現象の予想
気象の状況が急激に変化する場での気温などの予想
(梅雨時期や盛夏期など)
- 大雨・強風などの稀な現象の予想