学科専門~過去問私的解説&考察~第64回気象予報士試験・問8

問8:気象衛星ひまわりの水蒸気画像

図は10月のある日の気象衛星ひまわりの水蒸気画像である。図に破線や矢印で示したA~Fの各領域の現象について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a) 破線で囲まれた領域A、B、Cに見られる渦は、いずれも台風や熱帯低気圧に伴うものと推定される。

(b) 複数の矢印で示したDは、南西から北東方向にのびる暗域と明域の境界(バウンダリー)であり、これは上空の強風軸に対応するものと推定される。

(c) 領域E内の東側には、上層の寒冷低気圧に伴う上・中層雲のみからなる雲域が見られる。

(d)領域Fには細かいの上雲が見られるが、これは台風の動きに影響を与えるジェット気流に対応したものと推定される。

④ (a)誤, (b)正, (c)誤, (d)誤

(a)雲域A、B、C

出題頻度1

(a)の問題文は、「破線で囲まれた領域A、B、Cに見られる渦は、いずれも台風や熱帯低気圧に伴うものと推定される。」です。

雲域Bなんて、寒気の流入が見られるので違いますね。むしろ寒冷低気圧かも?

よって(a)は誤り!

(b)雲域D

出題頻度2

(b)の問題文は、「複数の矢印で示したDは、南西から北東方向にのびる暗域と明域の境界(バウンダリー)であり、これは上空の強風軸に対応するものと推定される。」です。

雲域Dにはバウンダリーがあるので、上空の強風軸に対応しています。

よって(b)は正しい!

(c)雲域E

出題頻度・・・初めてかも!

(c)の問題文は、「領域E内の東側には、上層の寒冷低気圧に伴う上・中層雲のみからなる雲域が見られる。」です。

この衛星画像は水蒸気画像ですから、白いところは中・上層に雲があることを示しています。

だから下層のことまではわからないのです。可視画像や他の資料がなければ、なんとも判断ができませんね。

よって(c)は誤り!

(d)雲域F

出題頻度1

(d)の問題文は、「領域Fには細かいの上雲が見られるが、これは台風の動きに影響を与えるジェット気流に対応したものと推定される。」です。

雲域Fは、台風の上層に見られるトランスバースラインに見えます。
これはジェット気流に対応したものじゃなくて、台風の上層で発散する流れによるものなので・・・(d)も誤り!

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