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問15:アンサンブル予報
図は夏のモンスーン期(6~9月)におけるアジア域の対流圏上・下層の大気循環を200hPa(左)及び850hPa(右)の流線関数の平均値で表したものである。この図を参照し、アジア域における夏の大気循環について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。なお、風の回転成分(非発散成分)は、流線関数の大きい値を右側に見て等値線と平行に吹く。
(a)この時期、領域(ア)を中心に対流圏上層に大きな高気圧性循環が現れる。この循環はチベット高気圧と呼ばれ、チベット高原では夏でも積雪が残り周辺より低温のために出現する。
(b)領域(イ)では、海面水温が28℃を超えるとともに、対流圏では上・下層とも西よりの風が吹いており、水平風の鉛直シアーが弱いため、熱帯低気圧の発生・発達に適した環境となっている。
(c)領域(ウ)は海面水温が高く、下層ではモンスーンの南西風と太平洋高気圧の南縁を吹く偏東風の収束域となるため対流雲が盛んに発生する。この領域における対流活動は、日本の夏の天候に関係し、平年より活発なときは日本付近では高温になりやすい。
④ (a)誤, (b)誤, (c)正
チベット高気圧は地面からの熱と、モンスーンによる降水からの潜熱で形成される高気圧なので、(a)の「チベット高原では夏でも積雪が残り周辺より低温のために出現する。」は誤り。
水平風の鉛直シアーが弱いことは、熱帯低気圧の発生・発達に適しているのはその通りですが・・・
領域(イ)では、850hPa(対流圏で下層)で西風。200hPa(対流圏上層)で東風じゃないかな。
問題文に「風の回転成分(非発散成分)は、流線関数の大きい値を右側に見て等値線と平行に吹く。」とありますしね。
ちなみに北半球における流線係数は、正の値が右回りの流れで「高気圧性」です。
夏のモンスーン期に領域(ウ)のフィリピン付近で対流活動が活発になると、日本の本州付近の高気圧が強まり、気温が高くなるというテレコネクションパターン(PJパターン)が見られます。(どのくらいの頻度かはわかりません。すみません。)
だから(c)の「この領域における対流活動は、日本の夏の天候に関係し、平年より活発なときは日本付近では高温になりやすい。」は正しい〜。
さいごに
私・
試験の内容も、気象業務支援センターに一報入れて、書かせてもらってます。
※解説内容は気象業務支援センターとは関係ありません。晴野独自のものです。
またこの記事の内容は、どの機関のチェックも受けておりません。
ですから、もしかしたら間違っている可能性もあります。
もし「ここおかしいよ!」と思う箇所があれば、遠慮せずに「お問い合わせ」からご連絡いただけましたら、ありがたく学ばせていただきます。m(*_ _)m
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます(о´∀`о)♡
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