学科一般~過去問私的解説&考察~第62回気象予報士試験・問3

3:混合比・温位・相当温位(大気の熱力学)

図に示すような断熱性のよいシリンダーとピストンでできた容器の中に未飽和の湿潤空気を封入して、ピストンをゆっくりとAからCまで引き出した。その際、ピストンがBとCの間にあるときに、シリンダー内で水蒸気の凝結が生じた。

ピストンがA、B、Cの位置にあるときのシリンダー内の空気の水蒸気の混合比q、温位θ、相当温位θeについて、以下の関係式(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

ただし、q、θ、θeの添え字A、B、CはそれぞれピストンがA、B、Cの位置にあるときの物理量であることを示す。また、凝結した水の体積及びこの水への熱の移動は無視できるものとする。

③ (a)誤,(b)正,(c)正

とりあえず相当温位は、断熱変化なら水蒸気が凝結しても関係ないので

θeA = θeB = θeC  

よって(c)は正しい。

次に混合比を考えてみましょう。

混合比q

混合比は、空気塊が含む水蒸気の質量を、乾燥空気の質量で割った値です。

この問題では、BC間で水蒸気の凝結が起きているため

qA = qB > qC

となるはず。

よって(a)は誤り。

では温位について考えます。

温位θ

温位は、任意の空気塊を1000hPaまで断熱変化させた時の温度なので
当該空気塊の含む水蒸気が凝結すると、上昇します。

つまり、BからCに移動させると、θC の値は大きくなるのです。

よって

θA = θB θC    

以上から(b)は正しい!

ここに書いてあるよ
誰かに相談しながら勉強したい方へ

独学の場合、参考書を読んでもわからない・難しすぎると勉強が進みませんよね。

充実した教材に加え、いつでも質問し放題なのに、コスパが良い!と私がおすすめしているのが「気象予報士アカデミー」さん。

講師には、超ベテラン&現在進行形で気象業務に関わる気象予報士がいて、安心して勉強できます。
(ちなみにプロフィールにも記載しておりますが、私・晴野(はれの)も、質問対応に参加しております。)

興味があればチェックしてみて↓

▶︎気象予報士アカデミーを見てみる

その他の過去問を解いてみた記事はこちらからどうぞ
↓ ↓ ↓