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問 8:気圧と温位と風の関係
図は、北半球における安定で静力学平衡及び地衝風平衡が成立している大気の、ある高度の範囲における南北鉛直断面である。
実線は等圧面、破線は等温位面を、またと
はそれぞれ西風と東風の地衡風を表し、その大きさで風速の大小を示している。
図(a)~(e)のうち、等圧面、等温位面、地衡風の風向・風速の関係が正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。


図に解答の判断が困難な表現 があったことから、全ての解答を正解
強いて言えば、①が正解。
まず気圧と風向を考えてみます。
地衡風の風向は気圧が高い方が右手になるので・・・
南側の気圧が高い=西風になるはず
(a),(b),(c)
北側の気圧が高い=東風になるはず
(d),(e)
ここで、上記に当てはまっていない(c)と(d)は除外します。(②と④が除外される)
もう一つ、等圧線の傾きから、傾きの大きな方が風速は大きいので(今は地表面付近の摩擦とか考えません)
上層の方が等圧線の傾きが大きい=上層の方が風速が大きい
(a),(b)
下層の方が等圧線の傾きが大きい=下層の方が風速が大きい
(e)
↑これは矛盾なしで答えを絞れず、残り①か③か⑤。
次に温位と風向について考えます。
温位と風って、どう関係してるのか、こんな問題出たことありましたっけ?
ちょっと記憶にないので、間違ってるかもしれませんが、私の考察を述べます。
相当温位と違って、温位は「水蒸気の凝結なしで断熱的に1000hPaにしたときの温度(K)」ですよね。
そして上層ほど温位は高くなってます。(「一般気象学」参照)
なので同じ高度で比べると、等温位面が下がっている側の方が温度は高いイメージで良いはず。
ということは
- 北から南に等温位面が下降→西風→(a)と(e)は西風かも?
- 南から北に等温位面が下降→東風→(b)は東風かも?
となるはず。
でも問題の図によると
- (a)西風
- (b)西風
- (e)東風
となっているので、正しいのは(a)のみと言えると思います。
とはいえ・・・気象業務センターより、「問8の図に解答の判断が困難な表現 があったことから、全ての解答を正解として採点処理します。」ということで・・・ここまで頑張って解きましたが、全員正解!
以下が問題の訂正理由とのことです。
本問は、大気の南北断面において、等圧面、等温位面と地衡風及び温度風の関係が正しく示された図を選択する問題でした。
この問題のうち図 (e) について、公表した解答例では正しく示された図としていましたが、等圧面における温位と等圧面間の層厚の関係から誤った図とすべきでした。
また、図 (b) について、等温位面との関係から、上の等圧面は南側ほど温位が高く、下の等圧面では北側ほど温位が高くなっており、2つの面の間の平均温度が南北どちらが高いか(層厚はどちらが厚いか)判断することができず、関係が正しく示されているか判断ができない図になっていました。
従いまして、本問については、全ての解答を正解として採点処理することとします。
受験者の皆様にはご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
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