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問11:熱的低気圧(ヒートロウ)
日本で発生する熱的低気圧(ヒートロウ)について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)熱的低気圧は、春から夏の晴れた日などに、昼間の地表面の加熱に伴い中部山岳地帯などの内陸部に発生し、夜間には消滅する。
(b)中部山岳地帯などで発生する熱的低気圧において、気圧が低下しているのは下層だけであり、その気圧低下量と気温上昇量との関係は、気体の状態方程式と静力学平衡の式でほぼ表現される。
(c)中部山岳地帯の谷や盆地では、谷風循環の補償流としての下降気流によって断熱昇温が起こるため、平野部に比べて気圧低下量が大きい。
① (a)正, (b)正, (c)正
熱的低気圧は、次のような過程で生じます。
海風の時の地表面の状態と同じですね。
では(a)〜(c)を読みます。
中部山岳地帯などの熱的低気圧の発生は、暖候期なので「春から夏の晴れた日などに」はOK。
「昼間の地表面の加熱に伴い」←これもOK。
「中部山岳地帯などの内陸部に発生し、夜間には消滅する。」←これもOK。
だから(a)の「熱的低気圧は、春から夏の晴れた日などに、昼間の地表面の加熱に伴い中部山岳地帯などの内陸部に発生し、夜間には消滅する。」は正しい。
中部山岳地帯に発生する熱的低気圧は、まぁまぁ規模の大きな熱的低気圧です。
中部山岳地帯などで発生する熱的低気圧では、地表面から暖められます。
その結果、気温上昇により気圧が低下するのは下層だけです。
またそのとき、「気圧低下量」と「気温上昇量」との関係は
気体の状態方程式と静力学平衡でほぼ表現できるので、(b)は正しいです。
気圧が一定なら、気温が高いと空気の密度は小さくなることが、気体の状態方程式で説明できます。
高度差が一定なら、空気の密度が小さくなると、気層の気圧差が小さくなることが、静力学平衡の式で説明できます。
盆地では山の斜面で発生した谷風(谷から山頂に向かう風)により、空気の循環が起きる。(足りなくなったところに足すイメージ)
これが問題文に登場した「補償流」。
上昇流の補償流は、「下降流」です。
下降流は断熱昇温しますね。
断熱昇温により、盆地の方が平野部より気圧低下量が大きくなります。
よって(c)は正しい〜!
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