学科専門~過去問私的解説&考察~第62回気象予報士試験・問6

6:気温ガイダンスの予測誤差

気象庁の気温ガイダンスについて述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a) 気温ガイダンスは、数値予報モデルの改良等により予測特性が変化した場合でも、逐次学習によって予測式の係数が時間経過とともに変化し、モデルの予測誤差を低減することができる。

(b)数値予報モデルでは海陸の区別が実際と一致していない格子点がある。気温ガイダンスは、海陸の区別の不一致に起因するモデルの予測誤差を低減することができる。

(c) 数値予報モデルが寒冷前線の通過のタイミングを正しく予測できない場合でも、気温ガイダンスは気温が低下するタイミングを正しく補正して予測することができる。

② (a)正,(b)正,(c)誤

(a)気温ガイダンスにおける予測誤差の低減

気温ガイダンスは逐次学習によって予測式の係数が時間経過とともに変化し、モデルの予測誤差を低減できます。

よって(a) の「気温ガイダンスは、数値予報モデルの改良等により予測特性が変化した場合でも、逐次学習によって予測式の係数が時間経過とともに変化し、モデルの予測誤差を低減することができる。」は正しい!

(b)数値予報モデルにおける予測誤差の低減

同じ場所に同じように現れる誤差は、系統的誤差であり低減できます。

よって(b)の「数値予報モデルでは海陸の区別が実際と一致していない格子点がある。気温ガイダンスは、海陸の区別の不一致に起因するモデルの予測誤差を低減することができる。」は正しい!

(c)補正できる誤差とは

前線などの通過時刻などを正しく予測できない場合、気温低下(上昇)のタイミングをガイダンスで補正することは難しいです。

というか、普通に考えて無理そうですよね。

というわけで、(c)の「 数値予報モデルが寒冷前線の通過のタイミングを正しく予測できない場合でも、気温ガイダンスは気温が低下するタイミングを正しく補正して予測することができる。」は誤り!

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