【スコールとはどんな天気?】雨ではなく風のことだった?!

この記事でわかること

今回のお題は「スコール」!

ムスメ
ムスメ

おにいちゃんがシンガポールで「スコール」に遭ったって。
「スコール」って何?

一般的には「熱帯地方で降るにわか雨/南国の雨」って印象だね。

でも気象用語の「スコール」は

「雨や雷を伴うこともある、急に強くなる強風のこと」

だから、メインの意味は「風のこと」なんだよ。

南国の雨イメージの「スコール」と気象用語「スコール」は、

  • 意味
  • 定義
  • イメージ

が違いますが・・・

ここでは「どちらが正しいか」ということより、具体的に「スコールってどんな天気のことなのか」を、感覚でイメージできるように解説します!

その他「ゲリラ豪雨や夕立との違い」も、一目でわかる表にまとめました!

はれの
はれの

ここで「スコール」についての知識を広げよう〜

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【スコールの意味】一般的VS気象用語

スコールって、熱帯地方のの「激しいにわか雨」ってイメージありますよね?

でも実は・・・

はれの
はれの

多くの人がイメージしている「スコール」は雨のことで

気象用語の「スコール」は、急に強くなった強風のことなんです!

ではそれぞれの意味やイメージ・定義を、もっと詳しく!

一般的な意味

 「ハワイやグアム、東南アジアなどの熱帯地方で、急に降ってくる大粒のにわか雨」が、私たち日本人のイメージするスコールですよね?

条件をあげるなら

  • 熱帯で
  • 急に降る
  • 激しく降る
  • 短時間で止む
  • ほぼ毎日降る

↑こんなイメージ。

ではここで、フィリピン(マニラ)で撮影された、わかりやすいスコールの動画があったのでご覧ください。

↑雲の下の雨が、画面奥から手前にサーっと移動しています。

雨雲の真下にいる人にとっては、「にわか雨」であり、「通り雨」ですね。

はれの
はれの

空全体は広く雲に覆われているので、前触れもなく突然雨が降るってわけでもないですね。

では気象用語としてのスコールは・・・

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気象用語としてのスコール

気象用語としての「スコール」の定義は

  • 短時間に8.2m/秒(16ノット)以上、風が強くなる
  • 風速11.3m/秒以上
  • 少なくとも1分間は続く天気
  • 雨や雷を伴うこともある
はれの
はれの

雷なしでも風と時間の条件をクリアできれば「スコール」だし

雨が降らなくても「スコール」はありえます。

気象用語としての「スコール」を解説している動画があるのでご覧ください。↓

↑この動画では、気象用語としての「スコール」の意味と、スコールが生まれる仕組みも解説しています。

「スコール」は積乱雲の下に生まれる下降気流が、地面にぶつかって水平方向に吹く風なのです。

はれの
はれの

ということは、積乱雲さえ発達すれば「スコール」も生まれる可能性があるので

熱帯とか南国だけではなく、寒い地域でもスコールが発生することになります。

【余談】ちなみに航海で使う「スコール」の意味は「狭い範囲に発生する激しい嵐」のこと。

さらに・・・

はれの
はれの

語源を調べてみたら、すっごく興味深かったですよ!

「スコール」の語源

「スコール」の語源を遡ると、おそらくスカンジナビアの言葉だったと考えられています。

まさかの「北欧の言葉」で

  • ノルウェーのskval=急な水の流れ
  • スウェーデンskvala=吹き出す、降り注ぐ

などが語源だと言われてるのです。

はれの
はれの

ともかく、急な現象をイメージする言葉ですね。

元々北欧の言葉である「スコール」は、欧米の言葉。

はれの
はれの

欧米人が熱帯・亜熱帯の植民地で経験した天気を、「スコール」と呼ぶようになったのかも???なんて想像しました。

次は「熱帯のにわか雨」イメージの「スコール」について、ゲリラ豪雨や夕立との違いなどもお話ししましょう!

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スコールとゲリラ豪雨・夕立の違い

そもそも「ゲリラ豪雨」も雨の「スコール」も、気象用語や天気予報で使う正式な名称ではないですが・・・ここでは硬い話はおいといて

  • スコール
  • ゲリラ豪雨
  • 夕立

の定義やイメージを並べると、違いがわかります!

それぞれの定義

名称雨の定義/イメージ風の定義/イメージ時間の定義/イメージ頻度などの定義/イメージ
スコール
(一般的な南国の雨イメージ)
激しい雨。特になし長時間は続かないほぼ毎日
スコール
(気象用語)
雨も含む短時間に8.2m/秒(16ノット)以上、風が強くなる。
風速は11.3m/秒以上
1分以上続く特になし
ゲリラ豪雨
(マスコミ用語)
激しい雨特になし長時間は続かない特になし
夕立雨(雷を伴う激しい雨のこともある)
特になし
長時間は続かない夏の午後のみ

「スコール」とゲリラ豪雨、夕立の3つは何が違うのか?

「スコール」とゲリラ豪雨、夕立の3つの違い

南国の雨イメージの「スコール」とゲリラ豪雨、夕立の3つの違いは

ほぼ毎日なのか

スコールが「ほぼ毎日」イメージなのに対し

ゲリラ豪雨は「ほぼ毎日」ではないし、夕立は「夏の午後限定」&「ほぼ毎日」ってほどではないですよね。

はれの
はれの

ここで言う「スコール」もゲリラ豪雨も、気象用語ではないので、「共通の認識」としての違いです。

「スコール」とゲリラ豪雨、夕立の3つの共通点

南国のイメージの「スコール」とゲリラ豪雨、夕立の3つは

  • 風のことではなく「わりと急な雨」(気象用語としては風のことですが)
  • 「長時間は続かない雨」

という共通点があります!

また発生原因も「豊富な水蒸気と太陽熱」なので、同じと言えます。

はれの
はれの

気象予報士的には
「天気予報で予測するのが難しい!」
というのが1番の共通点かも〜

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【スコール】とはどんな天気か?のまとめ

「スコール」ってどんな天気かまとめると、こうなります!

一般的な「スコール」ってこんな天気
  • 熱帯・亜熱帯の地域で降る「急な激しい雨」
  • 積雲・積乱雲から降る
  • ほぼ毎日降る
気象用語としての「スコール」ってこんな天気
  • 短時間に8.2m/秒(16ノット)以上、風が強くなる天気
  • 風速は11.3m/秒以上
  • 少なくとも1分間は続く天気
  • 雨や雷を伴うこともある

「スコール」って気象用語としては風のこと!っていくら聞いても

実際に南国で雨に降られると、やっぱり「あ、スコールだ!」って思っちゃうんだろうなぁ。

はれの
はれの

気象予報士を目指す方は、スコールより「スコールライン」の勉強をしましょうね!

後日、「スコールライン」についても解説記事を書きますね。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
m(*_ _)m

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